Round.18 ブラジルグランプリ
07.Nov.2010 : アウトードロモ・ホセ・カルロス・パーチェ
周回数 : 71周
◇予選
ウエットからドライへ変わるコンディション。この難しい状況を最大限に生かしたのは、なんとルーキーのウィリアムズ・ヒュルケンベルグ。自身初のポールポジションを獲得するともに、ウィリアムズに2005年ヨーロッパGP以来となるポールポジションをもたらします。次いでレッドブル勢、2位ベッテル、3位ウェバーが続き、4位にマクラーレン・ハミルトン、ポイントリーダーのフェラーリ・アロンソは、5位からのスタートとなります。以下6位ウィリアムズ・バリチェロ、7位ルノー・クビカ、8位メルセデス・シューマッハー、9位フェラーリ・マッサ、10位ルノー・ペトロフとなります。なおザウバー・小林は12位でした。またHRTは山本に代わりクリエンを出場させます。
◇決勝
スタート直後、ポールのウィリアムズ・ヒュルケンベルグはラインを変えて2位以下を牽制しますが、マシンのポテンシャルの差は埋めがたく、1コーナーでレッドブル・ベッテルに、5コーナーで同ウェバーにパスされてしまいます。こうしてオープニングラップはベッテル、ウェバー、ヒュルケンベルグ、マクラーレン・ハミルトン、フェラーリ・アロンソ、ルノー・クビカ、ウィリアムズ・バリチェロ、フェラーリ・マッサ、マクラーレン・バトン、メルセデス・シューマッハーとなります。
2周目、バックストレートエンドでハミルトンがミス、大きくふくらんでしまったところを、アロンソが抜いていきます。次いでアロンソは、ヒュケンベルグに迫りますが、ヒュケンベルグもブロックラインをとり、スリップには入らせても抜かせないという状況が続きます。再三のアタックの結果、ようやくアロンソがヒュルケンベルグを抜いたのは7周目、この時点でトップベッテルは、すでに10秒以上先行している状況となります。
一方抜かれたヒュケンベルグもこれ以降は踏ん張り続け、以下に10台近い車を牽引する状態となります。12周目、この状態を打破すべく、バトンがピットに入ります。次いで13周目にマッサもピットに入りますが、翌周再度ピットインしたため、大きく順位を落としてしまいます。このヒュケンベルグ・スクールも、15周目に自身がピットに入ったため終わりを迎え、この時点でのオーダーは、ベッテル、ウェバー、アロンソ、ハミルトン、シューマッハー、メルセデス・ロズベルグ、フォースインディア・スーティル、トロロッソ・ブエミ、ザウバー・小林、フォースインディア・リウッツィとなります。トップ3はややタイヤ交換を引っ張り、25周目アロンソ、26周目ベッテル、27周目ウェバーの順でピットに入り、順位を入れ替えることなく周回に戻ります。また以下のオーダーは、ハミルトン、小林、バトン、ロズベルグ、スーティル、シューマッハー、ヒュルケンベルグとなります。
50周目、プライムタイヤでスタートし、順位を6位まで上げていた小林がピットに入ります。しかしスーティルが先導する7位〜15位集団の後ろという、難しいポジションで復帰することとなります。その翌周、1〜2コーナーで、リウッツィが単独クラッシュ、これによりセフティーカーが入ります。このタイミングで中団グループが一気にピットイン、55周目のリスタートでのオーダーは、ベッテル、ウェバー、アロンソ、ハミルトン、バトン、シューマッハー、ロズベルグ、ヒュケンベルグ、クビカ、トロロッソ・アルグエルスアリに代わります。56周目、小林が1コーナーでブエミをパス、11位に順位を上げます。小林はレース終盤の66周目にあアルグエルスアリをパスし、10位入賞圏まで復帰します。
セフテーィカーの導入より、一気に差が縮まったウェバーとアロンソでしたが、レース終盤にその差が2秒台まで縮めます。したが、それ以上はウェバーも寄せ付けず、結局2.6秒差でチェッカーとなります。こうしてベッテルが今期4勝目を上げ、タイトル争いに望みをつなぐとともに、ウェバーが2位に入ったことで、レッドブルがコンストラクターズ・タイトルを決めました。以下3位アロンソ、4位ハミルトン、5位バトン、6位ロズベルグ、7位シューマッハー、8位ヒュケンベルグ、9位クビカ、10位小林の結果となりました。
◇感想
レッドブルがチーム設立から6年目にして、初のコンストラクターズのタイトルを獲得しました。残るはドライバーズ・タイトル。なのですが、ベッテルが勝ったことにより、アロンソとウェバーのポイント差は3ポイント縮まっての8ポイント差。これは次戦でウェバーが優勝しても、アロンソは2位に入ればよく、仮にベッテルが優勝だと、3位でも良いことになります。どちらにせよ、レッドブル勢は勝たなければならないというプレッシャーがあり、そうなるとアロンソが有利かなと思ってしまいます。しかし得てして、マシントラブルで決着がついたりするもんなんですよね・・・。