Round.5 スペイングランプリ
22.May.2011 : サーキット・デ・カタルニア
周回数 : 66周
◇予選
予選ポールは、レッドブル・ウェバーとなり、同僚ベッテルが僅差で2位となります。3位はマクラーレン・ハミルトン、4位はフェラーリ・アロンソが入り、母国レースでの活躍を期待させる位置につけます。以下5位マクラーレン・バトン、6位ルノー・ペトロフ、7位メルセデス・ロズベルグ、8位フェラーリ・マッサ、9位ウィリアムズ・マルドナド、10位メルセデス・シューマッハーとなります。なおザウバー・小林は14位、ルノー・ハイドフェルドは、フリー走行中の火災により、予選欠場となりました(フリー走行でのタイムにより、107%ルールの適用を除外)。またロータス・コバライネンがロータスとして初めて予選2回目に進み、フォースインディア勢を上回る15位のグリッドを得ています。
◇決勝
スタートでは、フェラーリアロンソが好スタートを決め、レッドブル・ベッテルの牽制をかわして2位に浮上、続く1コーナーの飛び込みで、インからレッドブル・ウェバーもパスしてトップに立ちます。こうしてオープニングラップは、アロンソ、ベッテル、ウェバー、マクラーレン・ハミルトン、ルノー・ペトロフ、メルセデス・シューマッハー、同ロズベルグ、トロロッソ・ブエミ、フェラーリ・マッサ、マクラーレン・バトンの順となります。
序盤は大きな順位変動もなく過ぎていき、10周目から各車1回目のピット作業を迎えます。この10周目、ベッテルがピットインします。しかし周回に復帰した場所は9位であり、直前にはバトンがいる状況となります。しかしベッテルは、バトン、マッサと立て続けに抜き去り、アロンソに独走を許しません。そのアロンソも、11周目にピット作業を行い、ここはベッテルの前で周回に復帰しています。15周目、バトンが上位陣では最後となるピット作業を終え、この結果、アロンソ、ベッテル、ハミルトン、ウェバー、フォースインディア・ディ・レスタ、シューマッハー、バトン、ペトロフ、ロズベルグ、マッサのオーダーとなります。
18周目、早くもベッテルが2回目のピット作業を行い、20周目にはアロンソとウェバーが同時ピットインとなります。しかしアロンソはウェバーの前で周回に復帰することは成功したもの、ベッテルには先行を許してしまいます。こうして31周目にバトンがピットインし、上位が2回目のピット作業を終えた時点での順位は、ベッテル、ハミルトン、アロンソ、ウェバー、バトン、マッサ、シューマッハー、ロズベルグ、ペトロフ、ウィリアムズ・マルドナドとなります。
35周目、ベッテルが3回目のピット作業を行い、36周目にハミルトンが続きます。ここでベッテル、ハミルトンの順位は変わりませんでしたが、後方では、バトンが36周目にウェバー、37周目にアロンソを抜き、3位にまで順位を上げます。
49周目、ベッテルが4回目の、そしてバトンが3回目のピット作業を行い、50周目にハミルトンがピット作業を行います。この時点での順位は、ベッテル、ハミルトン、バトン、ウェバー、アロンソ、シューマッハー、ロズベルグ、マッサ、ディ・レスタ、マルドナド、ルノー・ハイドフェルドとなります。レース終盤、ベッテルとハミルトンの差が1秒を切り、ハミルトンがDRSを使用して幾度となくベッテルに迫ります。しかしベッテルは、KERSにトラブルを抱えながらもこれをしのぎきり、今期4度目の優勝を決めます。2位は一歩及ばずハミルトン、3位は3ピット作戦を成功させたバトンが入ります。以下4位ウェバー、5位アロンソ、6位シューマッハー、7位ロズベルグとなり、8位には最後尾スタートながら、バトンと同じ3ストップ作戦で順位を上げたハイドフェルドが、9位にはザウバー・ペレスが入り、初のポイント獲得を果たします。10位にはオープニングラップにタイヤがパンクし最後尾に脱落したものの、見事なリカバーリを見せたザウバー・小林が入ります。
◇感想
ベッテルが僅差でハミルトンを下し、5戦目にして早くも4勝目を上げました。ベッテルのKERSの故障等、ハミルトンにもつけいる隙はあったのですが、それを許さないベッテルの強さが際だったレースでした。またそれを支えるレッドブルのピット作業の速さ、これも見事です。コース上でコンマ数秒を争うなか、ピット作業で0.5秒以上ライバルよりも作業が早いのですから、今期のようにピット回数が多いと、それだけで数秒のアドバンテージになるわけで、なおさら盤石の感があります。
バトンを3位に送り込んだマクラーレンの戦略の巧さも見事ではありますが、これとてトップから30秒遅れであり、優勝するための戦略ではありませんでした。とはいえ、レッドブルとマクラーレンのみが同一周回だったわけで、やはり打倒レッドブルの筆頭はマクラーレンといえるでしょう。
マクラーレンが腰砕けになって、レッドブルが年間優勝回数記録を更新する、そんな展開にならないで欲しいです(笑)。