Round.9 イギリスグランプリ
10.Jul.2011 : シルバーストン・サーキット
周回数 : 57周


◇予選

 アイドリング時の排気ガス規制により、シャッフルが予想された予選でしたが、前戦同様、レッドブルの今期4回目のフロント・ロー独占という結果になります。ただしポールはウェバー、2位はベッテルという順番で、これは第5戦スペイン以来となります。
   以下フェラーリ・アロンソ、同マッサ、マクラーレン・バトン、フォースインディア・ディ・レスタ、ウィリアムズ・マルドナド、ザウバー・小林、メルセデス・ロズベルグ、マクラーレン・ハミルトンとなります。
 なお今戦より、HRTはカーティケヤン変えて、リチャルドをエントリーしています。


◇決勝

 セクター2にかけて、まだコースが濡れている状況のため、各車インターミディエイトを装着してのスタートとなります。そのような状況で、素晴らしいスタートを見せたのがレッドブル・ベッテル。同僚ウェバーをかわして、トップでアビーコーナーを駆け抜けます。またマクラーレン・ハミルトンもダッシュを見せ、10位から7位へジャンプアップします。またハミルトンは、ハンガーストレートエンドでフォースインディア・ディ・レスタを攻略し、6位でコントロールラインへ戻ってきます。こうしてオープニングラップは、ベッテル、ウェバー、フェラーリ・アロンソ、マクラーレン・バトン、フェラーリ・マッサ、ハミルトン、ディ・レスタ、ザウバー・小林、、メルセデス・シューマッハーウィリアムズ・マルドナドとなります。
 2周目、ウェリントンストレートで、マッサがバトンをパスし、4位に浮上します。なおバトンは、続けてハミルトンにも抜かれ、6位まで順位を落とします。9周目、ウェリントンストレートで、シューマッハーが小林のインを突きますが、止まりきれず接触、小林はスピンして順位を10位まで落とし、またシューマッハーはフロントウイングを失い、ピットに向かいます。ここでシューマッハーは、いち早くインターミディエイトからドライタイヤに切り替え、翌周には早くもファステストラップを記録します。これを見て、各車一斉にピットへ入ります。
 1回目のピットストップが終わった14周目、順位はベッテル、ウェバー、アロンソ、ハミルトン、マッサ、バトン、ディ・レスタ、フォースインディア・スーティル、シューマッハー、メルセデス・ロズベルグとなります。15周目、ウェリントンストレートでハミルトンがアロンソをパス、3位に順位を上げます。しかしここから20周を過ぎるまで、上位の順位変動はなく、レースは膠着状態となります。24周目、タイヤのタレ始めたハミルトンを、再びアロンソが攻略、順位を3位に戻し、一方のハミルトンは、たまらずピットに入ります。これを皮切りに、各車2回目のピット作業が始まります。ターニングポイントとなったのは28周目、ベッテルとアロンソが同時にピットインしたときでした。ここでベッテルは、タイヤ交換が終わっていないのにジャッキを下ろしてしまうミスに見舞われ、アロンソに先行を許してしまいます。こうしてアロンソ、ハミルトン、ベッテル、ウェバー、バトン、マッサ、ロズベルグ、ザウバー・ペレス、ルノー・ハイドフェルド、トロロッソ・アルグエルスアリのオーダーに変わります。
 その後レースは再び膠着状態となります。そして37周目、先行のハミルトンに前を抑えられるかたちとなっていたベッテルが、3回目のタイヤ交換を行います。これを機に各車3回目のピット作業を行います。しかし40周目、バトンがピットレーンのエンドでストップしてしまいます。これはホイールガンの故障のため、右フロントのナットが締まらなかったためでした。
 こうして順位は、アロンソ、ベッテル、ハミルトン、ウェバー、マッサ、ロズベルグ、ペレス、スーティル、ハイドフェルド、シューマッハーに変わります。レース終盤、ハミルトンが燃料不足となり、ペースを落とします。これによりウェバーがハミルトンの前に立ち、アロンソ、ベッテル、ウェバーのオーダーとなります。一方ハミルトンは、マッサから激しい追い上げを受けます。そしてファイナルラップの52周目、クラブコーナーで、ついにマッサがハミルトンの前に出ます。しかしここでマッサがわずかにオーバーランしたこともあり、ハミルトンが4位を守ります。
 こうしてアロンソが今季初優勝を遂げ、ベッテルが2位、ウェバーが3位となりました。以下4位ハミルトン、5位マッサ、6位ロズベルグ、7位ペレス、8位ハイドフェルド、9位シューマッハー、10位アルグエルスアリの結果となります。
 なお小林は、ピットアウトの際に、ピットレーンで後続車の進路を妨害したとして、21周目に10秒ストップのペナルティを受けます。そしてエンジンからのオイル漏れにより、25周目にリタイヤとなります。


◇感想

 排気ガス規制という政治的な”レッドブルつぶし”に、ベッテルのピット作業ミスがあったとはいえ、結果的にはアロンソがベッテルを止めることとなり、チャンピオンシップの行方が楽しみになってきました。しかしベッテルの貯金はまだだま大きく、よほどのことがない限り、ベッテル優位でチャンピオンシップは続くと思います。次戦ドイツで誰が勝つのか。アロンソ2連勝ならば、まだまだ先は判らなくなるのですが、さてどうなりますか。


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