Round.10 ドイツグランプリ
23.Jul.2011 : ニュルブルクリンク
周回数 : 60周


◇予選

 ブロー規制がわずか1戦で撤廃される(ただし予選と決勝とでエンジンマッピングを変更することは禁止)というドタバタの中、ポールを獲得したのは2戦連続となるレッドブル・ウェバーでした。2位にはマクラーレン・ハミルトンが入り、レッドブル・ベッテルは今季ワースト(!)の3位。以下4位フェラーリ・アロンソ、5位同マッサ、6位メルセデス・ロズベルグ、7位マクラーレン・バトン、8位フォースインディア・スーティル、9位ルノー・ペトロフ、10位メルセデス・シューマッハーとなります。
 なおザウバー・小林は18位でした。ただし予選17位のトロロッソ・アルグエルスアリに燃料違反があったため、小林は17位スタートとなります。またロータスは、トゥルーリに代えてチャンドックを出走させています。


◇決勝

 スタートではマクラーレン・ハミルトンがダッシュを見せ、レッドブル・ウェバーをかわしてトップに立ちます。またフェラーリ・アロンソもレッドブル・ベッテルをかわし3位に順位を上げます。しかしベッテルも食らいつき、2-3コーナーではアロンソの前に出ます。しかしアロンソはクロスラインで抜き返し、結局オープニングラップは、ハミルトン、ウェバー、アロンソ、ベッテル、メルセデス・ロズベルグ、フェラーリ・マッサ、フォースインディア・スーティル、ルノー・ペトロフ、メルセデス・シューマッハー、マクラーレン・バトンとなります。また後方では、17位スタートのザウバー・小林が、一気に12位まで順位を上げているます。
 2周目、アロンソがコーナーで曲がりきれずコースオフ、ベッテルが3位に上がります。しかしアロンソは、8周目の1コーナーで、再びベッテルを抜き去り、3位を奪い返します。すかさずアロンソ追撃に出たベッテルですが、濡れた芝にタイヤを落としてしまいスピンを喫します。幸い順位を落とすことは避けられましたが、アロンソから大きく遅れてしまいます。
 11周目、ルノー・ハイドフェルドがトロロッソ・ブエミに仕掛けます。しかしブエミのブロックに、行き場を失ったハイドフェルドは縁石に乗り上げてしまいます。そして次の瞬間、看板を粉砕しながら宙に舞います。これによりハイドフェルドはリタイヤ、ブエミはタイヤをバーストさせ、ピットに向かいます。なおこの事故の原因を作ったとして、ブエミには次戦5グリッド降格のペナルティーが課せられます。
 12周目、最終コーナーでウェバーがハミルトンをオーバーテイク、トップに立ちます。しかし続くメインストレートで、ハミルトンがウェバーのスリップに入り、KERSを使用して再度抜き返します。なおこの攻防によりタイムをロスした2台に対し、3位アロンソが一気に詰め寄り、各車1秒以内のタイム差で周回を続けます。その攻防の中、15周目にウェバーがピットに入ります。そして17周目にハミルトンとアロンソがピットに入りますが、ここはフレッシュタイヤでタイムを稼いだウェバーが逆転に成功し、ウェバー、ハミルトン、アロンソのオーダーとなります。25周目、バトンがトップ勢では最後にピットに入り、この時点でのオーダーは、ウェバー、ハミルトン、アロンソ、マッサ、ベッテル、ロズベルグ、スーティル、バトン、シューマッハー、小林、トロロッソ・アルグエルスアリとなります。
 31周目、ウェバーがピットイン、32周目にハミルトン、3周目にアロンソが続きます。ここでアロンソが大逆転を演じ、ピットアウト時点での順位は、アロンソ、ハミルトン、ウェバーとなります。しかしハミルトンは2-3コーナーで、タイヤが暖まりきっていないアロンソをかわしトップに立ちます。36周目、8位を走行していたバトンが、ハイドロリック系のトラブルでリタイヤします。
 レース終盤、51周目にハミルトン、53周目にアロンソ、57周目にウェバーがピットインしますが、ここでは順位は変わりません。60周目、最後の最後までオプションタイヤへの交換を伸ばしていたマッサとベッテルがピットイン、ピット作業の時間差で、ベッテルがマッサの前に出ます。これを最後の順位変動として、60周のレースは終了します。
 こうしてハミルトンが今期2勝目を上げ、2位アロンソ、3位ウェバーの表彰台となりました。ベッテルは今期初めて表彰台を逃し4位、以下5位マッサ、6位スーティル、7位ロズベルグ、8位シューマッハー、9位小林、10位ペトロフとなりました。


◇感想

 F1カレンダーで、折り返しとなるドイツGP。ここでハミルトンが2勝目を上げ、ベッテルにストップをかけました。これがターニング・ポイントとなり、レッドブルにとって厳しい後半戦になるのか、あるいは一時の足踏みで終わるのか、次戦以降の流れが楽しみです。とはいえ次はハンガリー。低速・テクニカルサーキットでは、レッドブルが有利。果たしてどのような結果になるのか、レースが楽しみです(予選ではベッテルがトップでしたが・・・)


[ Back ]