Round.12 ベルギーグランプリ
28.Aug.2011 : サーキット・デ・スパ・フランコルシャン
周回数 : 44周
◇予選
予選トップはレッドブル・ベッテルとなり、これで今期9回目のポールとなります。以下2位マクラーレン・ハミルトン、3位レッドブル・ウェバー、4位フェラーリ・マッサ、5位メルセデス・ロズベルグ、6位トロロッソ・アルグエルスアリ、7位ルノー・セナ、8位フェラーリ・アロンソ、9位ザウバー・ペレス、10位ルノー・ペトロフとなります。
なおザウバー・小林は13位でした。
◇決勝
スタートでは、レッドブル・ウェバーが大きく出遅れてしまいます。逆に素晴らしいスタートを見せたのはメルセデス・ロズベルグで、まずはラ・ソースからの立ち上がりでフェラリー・マッサを、次いでオー・ルージュの先、ケメルストレートでレッドブル・ベッテルを抜き去り、一気にトップに出ます。一方後方では、1コーナーの飛び込みで、ルノー・セナがトロロッソ・アルグエルスアリに追突、アルグエルスアリはコーナー外側に追いやられ、さらにフェラーリ・アロンソと接触してしまいます。アロンソは大事なかったものの、セナはフロントウイングを失いピットへ、アルグエルスアリは自身最高位からのスタートであったにも関わらず、わずか1周でリタイヤとなってしまいます。こうしてオープニングラップは、ロズベルグ、ベッテル、マッサ・マクラーレン・ハミルトン、トロロッソ・ブルデー、ザウバー・ペレス、ウェバー、ザウバー・小林、ルノー・ペトロフのオーダーとなります。
2周目、アロンソがケメルストレート半ばでハミルトンをパス、3位に順位を上げます。またDRSが解禁となった3周目、ベッテルがロズベルグをパスしトップに立ちます。
4周目、早くもウェバーとマクラーレン・バトンが、ピットに入り、6周目にベッテルもピットに入ります。一方アロンソは9周目、ハミルトンはは11周目、ロズベルグは12周目と、比較的遅いピット時期を選択します。ハミルトンはピットアウト直後は8位まで順位を落としますが、12周目にはブランシモンでフォースインディア・スーティルを、続くバスストップシケインの飛び込みでペトロフを、さらに13周目のオー・ルージュでザウバー・小林をパスし、一気に3位まで順位を戻します。しかし好事魔多しというべきか、続くケメルスレートのエンドで不用意にラインをワイドに取ってコーナーに進入したため、追走していた小林と接触してしまいます。そして大きくバラスを崩したマシンはガードレールに正面からヒット、フロント部分を大きく破損しリタイヤとなります。この処理のため、セフティーカーが入ります。ここで各車一斉にピットに入り、タイヤ交換を行います。
レースが再開されたのは16周目、この時点でのオーダーは、アロンソ、ウェバー、ベッテル、マッサ、ロズベルグ、スーティル、ペレス、ペトロフ、メルセデス・シューマッハー、ウィリアムズ・バリチェロとなります。ここから怒濤の追い上げを見せたのは、13位スタートのバトンでした。まず16周目にバリチェロをパス、17周目にはペレスも攻略します。また21周目にシューマッハー、23周目にスーティル、25周目にマッサ26周目にロズベルグをそれぞれ抜き去り、4位まで順位を上げます。
30周目から32周目にかけて、上位陣のピット作業が行われ、レースは終盤戦を迎えます。この時点でのオーダーは、ベッテル、アロンソ、ウェバー、バトン、ロズベルグ、スーティル、シューマッハー、ペトロフ、ウィリアムズ・マルドナド、フォースインディア・ディ・レスタとなります。34周目、シューマッハーがスーティルをパスし、6位に順位を上げます。37周目、ウェバーがアロンソをとらえ、レッドブルが1-2体勢を築きます。41周目、ケメルストレートで、バトンがアロンソを、シューマッハーがロズベルグをオーバーテイクし、それぞれ3位、5位に順位を上げます。
こうして44周のレースは、ベッテルの今期7勝目で幕を閉じ、2位にはウェバー、3位はバトンと、後方からの追い上げとなった二者が表彰台に立ちました。4位は序盤トップを快走しながらも後半失速したアロンソ、5位は最後尾からの追い上げとなったシューマッハーが入ります。以下6位ロズベルグ、7位スーティル、8位マッサ、9位ペトロフ、10位マルドナドとなります。
なお小林は、セフティーカーが入った際のタイヤ交換のタイミングが遅れ、入賞圏外の12位でレースを終えています。
◇感想
ハミルトンの自爆により、タイトル争いの2位以下が混沌としてきました。ハミルトンが3位から5位に順位を下げた一方、着実にポイントを伸ばしたアロンソが3位、バトンが4位となり、これで2位ウェバーから5位ハミルトンまでの差は21ポイントとなりました。一方トップのベッテルとウェバーの差は92ポイント。2位以下の混戦をよそに、ベッテルが再び独走態勢に入った印象です。残り7戦、ベッテルがインタビューで、「自分が2戦連続リタイヤして、他のドライバーが良い仕事をすれば、まだだま判らない」と語っていました。まさにその通りで、ベッテルがリタイヤしない限り、2位以下の逆転は益々難しくなって来たように思えます。