Round.19 ブラジルグランプリ
27.Nov.2011 : アウトードロモ・ホセ・カルロス・パーチェ
周回数 : 71周
◇予選
予選トップでは、レッドブル・ベッテルが今期15回目となるポールを獲得し、ついに年間最多ポールポジション記録を樹立しました。2位には同ウェバーが入り、今期6回目となるレッドブルのフロントロー独占となります。以下3位マクラーレン・バトン、4位同ハミルトン、5位フェラーリ・アロンソ、6位メルセデス・ロズベルグ、7位フェラーリ・マッサ、8位フォースインディア・スーティル、9位ルノー・セナ、10位メルセデス・シューマッハーとなります。
なおザウバー・小林は、16位でした。
◇決勝
スタートでは、フェラーリ・アロンソの出だしが良く、マクラーレン・ハミルトンの前に出ることに成功します。続く同マッサもハミルトンに並びかけますが、ここはハミルトンが踏ん張り、レッドブル・ベッテル、同ウェバー、マクラーレン・バトン、アロンソ、ハミルトン、マッサの順で1コーナーを立ち上がって行きます。一方後方では、多少の順位変動はあったものの、ブラジル名物の多重クラッシュが起きることもなく、各車コントロールラインへ戻ってきます。こうしてオープニングは、ベッテル、ウェバー、バトン、アロンソ、ハミルトン、マッサ、メルセデス・ロズベルグ、フォースインディア・スーティル、ルノー・セナ、フォースインディア・ディ・レスタのオーダーとなります。
2周目、2コーナーでシューマッハーがディ・レスタをパス、10位に順位を戻します。しかし10周目、1コーナーでシューマッハーがセナを攻略する際に両者が軽く接触、さらに続く2コーナーで両者が再び接触してしまいます。この2回目の接触で、セナのフロントウイングによりシューマッハーの左リアタイヤがパンク、大きく順位を落とし、得点圏争いから脱落してしまいます。一方のセナも接触の原意を作ったとのことで、ドライブスルーペナルティーを課せられ、こちらも得点圏から姿を消します。
11周目、4コーナーでアロンソがバトンをパス、3位に順位を上げます。しかしこの直後、トップのベッテルにギアトラブルが発生、ギアボックスの破壊を防ぐため、2速次いで3速の使用を制限するよう、ピットから命令が飛びます。この状況下で各車1回目のピット作業となりますが、ここでは大きな順位変動はなく、ベッテルがトップを守ります。しかし2位ウェバーとの差は着実に縮まり、30周目の1コーナーで、ベッテルがウェバーを前に出したことで、トップが入れ替わります。その後各車2回目のピット作業をはさみ、上位陣のピット作業が完了した39周目、順位はウェバー、ベッテル、アロンソ、バトン、マッサ、ハミルトン、ロズベルグ、スーティル、ディ・レスタ、ザウバー・小林となります。
40周目から50周目にかけて、2ピット作戦を取ったチームの、2回目のピット作業が始まります。その最中の47周目、ハミルトンが突如スローダウン、ギアボックスのトラブルによりリタイヤとなります。51周目、スーティルがロズベルグを、バックストレートでオーバーテイク、6位に順位を上げます。その後53周目にバトン、55周目にアロンソ、59周目にウェバー、60周目にベッテルがピット作業を行いますが、ここでは順位に変動はありません。そして62周目、バックストレートでバトンがアロンソを抜き去り、3位に順位を上げたのを最後に、レースは決着を迎えます。
こうしてウェバーが、今期初優勝を遂げ、2位にはベッテル、3位はバトンという表彰台となります。以下4位アロンソ、5位マッサ、6位スーティル、7位ロズベルグ、8位ディ・レスタ、9位小林、10位ルノー・ペトロフの順位で、今期最終戦を終えます。
◇感想
長かった、本当に長かった、2011年シーズンが、これで終了しました。11月末までグランプリシーズンが続くなんて、年16戦だったころは考えもしませんでした(笑)
さてシーズンの結果はベッテルの圧勝でしたが、2位以下に目を向けると、巧いドライバーが上位を占めたという印象です。ランキング2位のバトンは、しばしベッテルを上回るタイヤマネジメントを披露し、ランキング4位のアロンソは、明らかに劣るマシンを駆り、果敢なレースでポイントを勝ち取りました。ベッテルの余りの速さに霞んでしまったウェバーですが、精細を欠きクラッシュを喫したイタリア以外、毎戦5位以上のフィニッシュと、安定感を示しました。ハミルトンも荒れたドライビングが批判されましたが、リタイヤの3回を除き、こちらもすべて入賞という結果。たらればは禁物ですが、ベッテルが昨年のように安定を欠いてたら、ランキング争いはより熾烈になっていたでしょう(バトンのポイント270は、昨年のベッテルの256を上回っているのですから!)。というか、そうならなかったベッテルが、やっぱり今年は一番凄かったということなんでしょうね(笑)
さて昨年と同じ12位でシーズンを終えた小林ですが、前半戦の好調を維持できれば、トップ10内も可能だったと思うと、夏場の戦略ミス、トラブル、ミスで失ったポイントが痛かったですね・・・。もっとも夏場以降成績が急降下するのはこのチームの伝統、小林だけの責任ではないですが。それでも最後の連続ポイントで、チームを昨年より1つ上の7位に押し上げたのは見事でした。
さて来シーズンは、ルノー(ロータスに名称変更)から、あのライコネンが復帰することが決定し、なんと6人のワールドチャンピオン経験者がしのぎを削ることとなります。ハイレベルな戦いが繰り広げられることを願いつつ、今シーズンの筆を置かせていただきます。