Round.3 中国グランプリ
15.Apr.2012 : 上海・インターナショナル・サーキット
周回数 : 56周


◇予選

 予選では、メルセデス・ロズベルグが自身初となるポールを獲得、2位のマクラーレン。ハミルトンが、ギアボックス交換のペナルティーで5グリッド降格となったため、3位のメルセデス・シューマッハーが繰り上がり、メルセデスのフロントロー独占となります。そして4位はザウバー・小林となり、こちらも自身最高位を記録します。
 以下5位ロータス・ライコネン、6位マクラーレン・バトン、7位レッドブル・ウェバー、8位ザウバー・ペレス、9位フェラーリ・アロンソ、10位ロータス・グロージャンとなります。



◇決勝

 スタートではザウバー・小林と、レッドブル・ウェバーが遅れ、オープニングラップはメルセデス・ロズベルグ、同シューマッハー、マクラーレン・バトン、ロータス・ライコネン、マクラーレン・ハミルトン、ザウバー・ペレス、同小林、フェラーリ・アロンソ、レッドブル・ウェバー、ロータス・グロージャンのオーダーとなります。
 レース序盤、ロズベルグが逃げ、シューマッハーが後続を抑えるという展開となります。2位以下が数珠つなぎとなる展開に、いち早くアンダーカット(タイヤ交換を前倒しにすることで、先行車の遅いペースから逃れ、またニュータイヤでタイムを稼ぎ逆転する作戦)を決断したのはウェバーで、早くも7周目にピットに入ります。続いて10周目に小林、レッドブル・ベッテルがピットに入り、これ以降各車1回目のピット作業となります。13周目、シューマッハーのピットインにて、トラブルが発生します。右フロントタイヤの交換に手間取ったメカニックが、ホイールナットを交換しようと後ろを向いたのを、ロリーポップマンが作業終了と勘違いし、シューマッハーを発進させてしまったのです。シューマッハーはこのミスにより、コース途中にマシンを止めリタイヤとなります。一方のロズベルグは14周目にピットに入り、3位でコースに復帰します。1回目のピット作業を引っ張ったのはペレスとフェラーリ・マッサで、それぞれ17周目、19周目にピットインします。この結果、ロズベルグ、バトン、ハミルトン、ウェバー、ライコネン、アロンソ、小林、グロージャン、ベッテル、ペレスのオーダーに代わります。
 しかしここからレースが混沌としていきます。22周目、ウェバーが2回目のピット作業を行い、これから42周目まで毎周どこかのチームがピット作業を行う状況となるのです。さらに2ストップ作戦のチームと3ストップ作戦のチーム、そしてタイヤの状況でいずれかを切り替えるチームが混在し、全く順位の予想がつかないレースとなります。さらにロズベルグを除く各車のタイムが僅差となり、1ストップで10位近く順位を下げることも多く、状況の把握が極めて困難となります。
 こうしてピット作業が落ち着いた42周目、オーダーはロズベルグ、ライコネン、ベッテル、バトン、ウェバー、ハミルトン、ウィリアムズ・セナ、グロージャン、マクラーレン・マルドナド、アロンソに変わります。48周目、ベッテルがライコネンを交わし、2位に順位を上げます。一方のライコネンは踏ん張りが効かずにレコードラインを外れてしまい、バトンにも先行されてしまいます。結局ライコネンは、タイヤの性能劣化に伴いその後もずるずると順位を落とし、50周目に小林に抜かれ、トップ10から脱落してしまいます。
 レース終盤、今度はベッテルのタイヤが限界を迎えます。52周目にバトンに抜かれ3位に後退してしまうのです。その後もベッテルのペースは上がらず、55周目にはハミルトンにも抜かれ、表彰台圏内から脱落してしまいます。
 結局、終始レースをリードしたロズベルグが初勝利を挙げ、2位バトン、3位ハミルトンのポディウムとなります。4位、5位はファイナルラップの順位変動で、ウェバー、ベッテルの順となり、以下6位グロージャン、7位セナ、8位マルドナド、9位アロンソ、10位小林の結果となりました。



◇感想

 ロズベルグが初優勝! 終始安定した走行で、他者を寄せ付けない完璧な勝利を飾りました。これで3戦して3ウィナー。トップチームと中堅チームの力量差が小さい今シーズンは、まだまだ一波乱も二波乱もありそうで、目が離せません。
 そして3位からのスタートで、初表彰台が期待された小林ですが、スタートで失敗したのが後まで響き、またベッテル、ライコネン、グロージャン、セナ、マルドナド等、前方を走っていたマシンが、結局2ストップで走りきったことで、失速したライコネンをかわしての10位が精一杯でした。残念とはいえ、クリーンであれば速いことを、ファステストラップを記録したことで証明しました。こちらもまだまだ期待できそうです。


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