Round.4 バーレーングランプリ
22.Apr.2012 : バーレーン・インターナショナル・サーキット
周回数 : 57周
◇予選
政情不安から、開催が疑問視されていた中東・バーレーングランプリ。それでもFIAが押し切るかたちで、2年ぶりの開催となりました。
予選では、レッドブル勢に速さが戻ります。ポールは今期初のレッドブル・ベッテル、3位には同ウェバーがつけます。一方マクラーレン勢も、2位ハミルトン、4位バトンと、レッドブル勢に遅れていません。以下5位メルセデス・ロズベルグ、6位トロロッソ・リチャルド、7位ルノー・グロージャン、8位ザウバー・ペレス、9位フェラーリ・アロンソ、10位フォースインディア・ディ・レスタとなります。なおザウバー・小林は12位からのスタートとなります。
◇決勝
スタートでは、ロータス・グロージャン(7位→4位)、同ライコネン(11位→7位)、フェラーリ・アロンソ(9位→5位)、同マッサ(14位→8位)等が一気に順位を上げることに成功します。一方、マクラーレン・バトン(4位→6位)、メルセデス・ロズベルグ(5位→9位)、トロロッソ・リチャルド(6位→16位)等が遅れます。こうしてオープニングラップは、レッドブル・ベッテル、マクラーレン・ハミルトン、レッドブル・ウェバー、グロージャン、アロンソ、バトン、ライコネン、マッサ、ロズベルグ、ザウバー・ペレスのオーダーとなります。
3周目、1〜3コーナーにかけて、マッサがライコネンを抜き去ります。その後5周目には、再度ライコネンが前に出ますが、この出遅れが後ほどレースに大きな影響を及ぼすこととなります。それでもルノー勢はトップスピードの伸びを活かし、グロージャンが4周目にウェバー、7周目にハミルトンを抜き2位に浮上します、またライコネンも、5周目のマッサに続き、7周目にバトン、9周目にアロンソをかわし、6位まで順位を上げます。
9周目、マッサ、バトン、ロズベルグがピットに入り、各車1回目のピット作業が始まります。12周目、トップのベッテルが1回目のピット作業を行い、2位でコースに復帰します。そして13周目に暫定トップのフォースインディア・ディ・レスタを抜き、トップに戻ります。こうしてピット作業が落ち着いた15周目、オーダーは、ベッテル、グロージャン、ライコネン、ウェバー、バトン、ハミルトン、アロンソ、ロズベルグ、マッサ、ペレスとなります。
23周目、バトンのピットインを皮切りに、各車2回目のピット作業に入ります。このピット作業は26周目まで続き、この間24周目にライコネンがグロージャンを、またロズベルグがアロンソを抜いています。その後一旦レースは落ち着きますが、32周目から2ストップ勢のピット作業が始まり、また36周目から3ストップ勢のピット作業が始まったことで、順位がめまぐるしく入れ替わることとなります。レースが落ち着いたのは41周目で、ベッテル、ライコネン、グロージャン、ウェバー、ディ・レスタ、ロズベルグ、バトン、アロンソ、ザウバー・小林、ハミルトンのオーダーとなります。
2ストップ作戦が功を奏し、トップ10圏内を走行していた小林ですが、この直後ハミルトンに、翌周にはマッサに抜かれ、トップ10から脱落します。その後メルセデス・シューマッハー、ペレすらにも抜かれ、50周目に緊急ピットイン。こうして13位でレースを終了します。
レース終盤の52周目、ロズベルグがディ・レスタを抜き、5位に順位を上げます。54周目、これまで7位を走っていたバトンがピットイン、13位に順位を落とします。結局バトンは、エキゾーストのトラブルで、56周目にピットに戻りリタイヤとなります。
こうして57周のレースは、ベッテルがポール・トゥ・ウィンで復活優勝を遂げ、2位にはライコネンが入ります。ライコネンは一時はベッテルの1秒以内まで迫る走りをみせ、序盤にマッサに先行されなければ、あるいは優勝もありえたと思わせる、見事な走りをみせます。そして3位は自身初表彰台を得たグロージャンが入ります。なお前レースがメルセデス・エンジンの1-2-3でしたが、今レースはウェバーが4位に入ったことで、ルノー・エンジンの1-2-3-4となります。以下5位ロズベルグ、6位ディ・レスタ、7位アロンソ、8位ハミルトン、9位マッサとなり、10位には22位スタートのシューマッハーが入ります。
◇感想
ベッテルが復活優勝を遂げ、これで4戦連続で勝者が変わるという、ついでに2位も毎回入れ替わるという、今期を象徴するレース結果となりました。また唯一連続ポディウムを達成していたハミルトンが、今回はタイヤ交換時のトラブル等で8位に沈んだことは、各チームの差が縮まっているため、ちょっとしたミスで大きく順位が入れ替わるという、今期の特徴を表しているでしょう。(ちなみにウェバーは、開幕連続4位という記録を続けています)
これからのヨーロッパラウンドに向けて、各チームの開発ペースが上がれば、よりいっそうの順位シャッフルが起こるかもしれません。