Round.5 スペイングランプリ
13.May.2012 : サーキット・デ・カタルニア
周回数 : 66周


◇予選

 F1第2の開幕戦と呼ばれるスペイングランプリ。ここからヨーロッパラウンドの開始となり、チームの勢力図がはっきりしてくるのですが、今年は混戦の度合いをより深めた、そういう予選結果となります。
 予選では、マクラーレン・ハミルトンがトップタイムをたたき出すも、予選終了後、サンプル燃料不足から、コース上にマシンを止めてしまいします。これがレギュレーション違反(「不可抗力の場合を除き、自力でピットに戻らなければならない」「セッション後のマシンは、サンプルを採取のため最低1リッターの燃料を残していなければならない」)とされ、ハミルトンは予選失格となります。
 代わりにポールに繰り上がったのは、ウィリアムズ・マルドナド。自身初、そしてウィリアムズに2010年第18戦ブラジルグランプリ以来、約1年ぶりとなるポールポジションを獲得します。以下2位フェラーリ・アロンソ、3位ロータス・グロージャン、4位同ライコネン、5位ザウバー・ペレス、6位メルセデス・ロズベルグ、7位レッドブル・ベッテル、8位メルセデス・シューマッハー、9位ザウバー・小林、10位マクラーレン・バトンとなります。



◇決勝

 スタートではフェラーリ・アロンソがウィリアムズ・マルドナドをかわしトップへ浮上、後方では2コーナーでザウバー・ペレスとロータス・グロージャンが接触、ペレスはタイヤのパンクに見舞われピットインを余儀なくされます。こうしてオープニングラップは、アロンソ、マルドナド、ロータス・ライコネン、メルセデス・ロズベルグ、グロージャン、メルセデス・シューマッハー、レッドブル・ベッテル、マクラーレン・バトン、ザウバー・小林、トロロッソ・ベルニュとなります。
 序盤、アロンソが逃げ、マルドナドが追走する展開となります。しかしマルドナドも、アロンソのDRS内には入れないものの、1.5〜2秒程度のタイム差を保ち、決定的なリードを築かせません。こうして拮抗が続く中、7〜12周目にかけて1回目のピット作業が始まります。最初に動いたのはレッドブル勢で、7周目にウェバー、8周目にベッテルがピットに入ります。そして11周目にアロンソ、12周目にマルドナドがピットに入ります。こうして1回目のピット作業が終わった際のオーダーは、アロンソ、マルドナド、ライコネン、グロージャン、ロズベルグ、ベッテル、小林、ウェバー、フォースインディア・ディ・レスタとなります。
 しかし順位が安定したのはつかの間、20周目から早くも2回目のピット作業が始まります。ここで勝負に出たのはマルドナド。アロンソよりも早く、25周目にピットに入ります。対するアロンソは27周目にピットに入りますが、インラップでバックマーカーによるタイムロスもあり、マルドナドに先行を許してしまいます。こうして2回目のピット作業が終わった時点でのオーダーは、マルドナド、アロンソ、ライコネン、グロージャン、ハミルトン、ロズベルグ、バトン、ベッテル、小林、フォースインディア・ヒュルケンベルグに代わります。
 この直後の30周目、ベッテルが黄旗無視によりドライブスルーペナルティーを受け、9位に後退します。また33周目に小林が、バトンを攻略し、ベッテル−バトン−小林の7-9位のオーダーが、小林−バトン−ベッテルに代わります。そして35周目から、3回目のピット作業が始まります。35周目にはハミルトンが入り、トップのマルドナドは42周目、アロンソは45周目、最も引っ張ったライコネンが49周目にピットに入ります。
 こうしてマルドナド、アロンソ、ライコネン、グロージャン、ロズベルグ、小林、ハミルトン、バトン、ベッテル、ヒュルケンベルグのオーダーとなり、レースは終盤を迎えます。レース終盤では、タイヤがたれてきたロズベルグを、小林が61周目に攻略し、5位に順位を上げます。またベッテルも、59周目にバトン、64周目にハミルトン、65周目にロズベルグと立て続けに抜き去り、6位に順位を上げます。こうしてレースは、マルドナドが初優勝を遂げ、アロンソが地元で2位に入り、ランキングトップタイに並びます。また3位はライコネンとなり、2戦連続表彰台を獲得します。以下4位グロージャン、5位小林、6位ベッテル、7位ロズベルグ、8位ハミルトン、9位バトン、10位ヒュルケンベルグとなります。



◇感想

 5戦して5チームから5人の優勝者という、混戦の度合いを深めたヨーロッパラウンドの幕開けとなりました。マルドナドは2年目にして初の優勝を遂げ、ウィリアムズに2004年ブラジル以来の勝利をもたらしました。奇しくも元チーム代表のフランク・ウィリアムズ氏の70歳のバースデーに、大きな大きなサプライズをプレゼントとすることとなりました。
 次戦はモナコ。少なくとも、ライコネン、ウェバー、ハミルトンは勝てるマシンに乗っているだけに、6人目のウィナーが誕生する公算が高く、今から楽しみです。


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