Round.6 モナコグランプリ
27.May.2012 : サーキット・デ・モナコ
周回数 : 78周


◇予選

 伝統のモナコ。F1屈指のドライバーズサーキットと呼ばれるこのコースで、予選トップはメルセデス・シューマッハー。しかし前戦スペインでの事故の原因作ったとして、5グリッド降格が決まっているため、自身69回目のポールは幻となりました(6位スタート)。代わってポールを獲得したのは、レッドブル・ウェバー。2010年以来、2回目のモナコ・ポールとなります。以下2位メルセデス・ロズベルグ、3位マクラーレン・ハミルトン、4位ロータス・グロージャン、5位フェラーリ・アロンソ、7位同マッサ、8位ロータス・ライコネンとなります。9位にはウィリアムズ・マルドナドが入りましたが、フリー走行での危険行為のため10グリッド降格、さらにギアボックス交換のため5グリッド降格となり、最後尾からのスタートとなります。こうして9位にはレッドブル・ベッテルが繰り上がり、10位はフォースインディア・ヒュルケンベルグとなります。なおザウバー・小林は11位からのスタートとなります(予選結果は12位)。



◇決勝

 スタートではレッドブル・ウェバー、メルセデス・ロズベルグ、マクラーレン・ハミルトンが順調な滑り出しを見せたものの、ロータス・グロージャンがスタートに失敗します。そして1コーナーでフェラーリ・アロンソ、次いでメルセデス・シューマッハーに接触、ハーフスピンをしてします。こうしてコースを塞いだグロージャンにより、中団以降は大混乱となります。すぐ後ろを走っていたレッドブル・ベッテルは、間一髪エスケープに逃げて難を免れましたが、そのさらに後ろを走っていたザウバー・小林は、グロージャンのタイヤに乗り上げてしまい、一瞬マシンが宙を舞います。そして着地の衝撃でサスペンションを傷めてしまい、7周目にリタイヤしてしまいます。またHRTデ・ラ・ロサも、グロージャンを避けようとした際に、後続のマクラーレン・マルドナドに追突され、両者リタイヤとなります。
 グロージャンのマシンを除去するため、2周目からセフティーカーが入ります。この時点でのオーダーは、ウェバー、ロズベルグ、ハミルトン、アロンソ、フェラーリ・マッサ、ベッテル、ロータス・ライコネン、シューマッハー、フォースインディア・ヒュルケンベルグ、ウィリアムズ・セナとなります。
 レース再開は4周目、しかし再スタートでは大きな順位変動が起きないまま、レースは早くもモナコらしい膠着状態となります。というのも、レース半ばに雨が降るとの予報に、各車タイヤを保たせるために、慎重な走りに徹したためです。そうしているうちに、ライコネンが遅れ始め、上位6台との差が開き始めます。こうして28周目、ライコネンの前に出られると判断したロズベルグがピットに入り、1回目のピット作業が始まります。こうして29周目から31周目にかけて、トップ勢が一斉にタイヤ交換を済ませ、トップにはソフトタイヤでスタートしたベッテル、以下ウェバー、ロズベルグ、アロンソ、ハミルトン、シューマッハー、マッサ、フォースインディア・ディ・レスタ、マクラーレン・バトンの順に変わります。その後10周以上にわたり、上位の隊列に変化がないまま過ぎ、47周目にベッテルがピットに入ります。こうしてオーダーは、ウェバー、ロズベルグ、アロンソ、ベッテル、ハミルトン、マッサ、シューマッハ、トロロッソ・ベルニュ、ディ・レスタ、ヒュルケンベルグとなります。
 このまま迎えたレース終盤、レースがにわかに荒れ始めます。まず62周目あたりからシューマッハーのペースが明らかに落ち始め、ベッテルが難なく前に出ます。その後64周目にはディ・レスタとヒュルケンベルグにも抜かれ、65周目、ついにガレージに車を入れ、リタイヤとなります。さらに66周目あたりから、雨が落ち始めます。この結果、レースのペースは大きく落ち込み、トップ5のタイム差は、0.2秒から0.5秒という、数珠つなぎ状態となります。この状態でギャンブルに出たのは、7位走行中のベルニュでした。いち早くインターミディエイトに履き替え、上位陣がタイヤの履き替えのため、ピットにはいるのを待ちます。しかし雨はこれ以上強まることはなく、12位でレースを終えます。
 こうして僅差のレースをウェバーが制し、2位ロズベルグ、3位アロンソのポディウムとなります。以下4位ベッテル、5位ハミルトン、6位マッサ、7位ディ・レスタ、8位ヒュルケンベルグ、9位ライコネン、10位セナの結果となります。



◇感想

 6戦して6人目のウィナーが誕生しました。しかもウェバーは、モナコ2勝目。5回勝っているシューマッハーは別格として、2回優勝のアロンソと、この3名のみが複数回優勝者なので、偉大な記録と言えるでしょう。なお現役では、バトン、ハミルトン、ライコネン(各1勝)を加えた計6名がモナコウィナーであり、ウェバーを除いてすべてチャンピオン経験者です。ということは・・・と考えがちですが、過去にはデビッド・クルサード(2勝)のように、モナコで勝ってもチャンピオンには届かなかった、そして唯一の勝利がモナコだったヤルノ・トゥルーリやオリビエ・パニスも居るのであんまり繋がりはなさそうです(笑)。ちなみにベッテルは、モナコ未勝利なのにチャンピオンですものね。
 さて次戦カナダでは、7人目のウィナーが出るのか、はたまた2勝目を上げるドライバーが出るのか楽しみです。予想では、ロズベルグが2勝目を挙げそうな気もしますが、ハミルトンが今期初勝利となるかもしれません。


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