Round.8 ヨーロッパグランプリ
24.Jun.2012 : バレンシア・ストリート・サーキット
周回数 : 57周
◇予選
予選トップは、2戦連続でレッドブル・ベッテルが獲得します。以下2位マクラーレン・ハミルトン、3位ウィリアムズ・マルドナド、4位ロータス・グロージャン、5位同ライコネン、6位メルセデス・ロズベルグ、7位ザウバー・小林、8位フォースインディア・ヒュルケンベルグ、9位マクラーレン・バトン、10位フォースインディア・ディ・レスタが入ります。
なお母国グランプリとなるフェラーリ・アロンソは11位となります。
◇決勝
スタートでは、ザウバー・小林、フェラーリ・アロンソ等が順位を上げた一方、メルセデス・ロズベルグが出遅れ、オープニングラップは、レッドブル・ベッテル、マクラーレン・ハミルトン、ロータス・グロージャン、小林、ウィリアムズ・マルドナド、ロータス・ライコネン、フォースインディア・ヒュルケンベルグ、アロンソ、フォースインディア・ディ・レスタ、フェラーリ・マッサのトップ10となります。
その後レースは一旦小康状態となり、10周目にグロージャンがハミルトンをオーバーテイクした以外、トップの順位変動はないまま、1回目のピット作業を迎えます。11周目にマクラーレン・バトン、ザウバー・ペレスがピットイン、ここからレースはコースの内外で順位が大きく入れ代わっていきます。コース上では12周目にアロンソがヒュルケンベルグを、13周目にはライコネンがディ・レスタを、14周目には再びアロンソがマルドナドを抜き、順位を上げます。一方ピットでは、15周目に小林、ライコネン、マルドナドの同時ピットインにおいて、小林がタイムロス、ライコネン、小林、マルドナドの順で、コースに戻ります。翌周、アロンソがピットに入り、ライコネンの前でコースに復帰、大きく順位を上げることに成功します。その後17周目にベッテルとグロージャンがピットに入り、ピット作業は一段落を迎えます。しかしピット作業を遅らせた車が上位に入り、かつこれらの車が次々とタイヤ寿命を迎えることで、レースはしばし混沌としていきます。さらに20周目には小林とウィリアムズ・セナが接触、小林はフロントウイングを失いピットへ、セナもハーフスピンを喫し順位を落とした上、ドライブスルーペナルティーを受け最下位に落ちます。さらに29周目、トロロッソ・ベルニュとケータハム・コバライネンが接触、両者タイヤがバーストする事態となります。そしてこの際に飛び散ったパーツの回収のため、セフティーカーが入ります。
レース再開は33周目、この時点でのオーダーは、ベッテル、グロージャン、アロンソ、トロロッソ・リチャルド、ライコネン、ハミルトン、メルセデス・シューマッハー、ロズベルグ、レッドブル・ウェバー、マルドナドとなります。しかしリスタート直後にアロンソがグロージャンをオーバーテイク2位に順位を上げます。さらにベッテルがスローダウン! アロンソがトップに立ちます。その直前、マッサと小林が接触、小林はピットでリタイヤとなります。
混乱はまだ続きます。41周目、2位走行中のグロージャンがスローダウン、コース脇にマシンを止めてリタイヤとなります。さらに10位まで順位を上げていたケータハム・ペトロフとリチャルドが接触、ペトロフはフロントウイング交換のためピットに戻り、ケータハム初のポイントは幻となりました。55周目、ライコネンが、タイヤが厳しくなったハミルトンを捕らえ、2位に順位を上げます。一方のハミルトンは、マルドナドにも追い上げられ、ターン12でついに横に並ばれます。しかしここでハミルトンが踏ん張り、いったんはマルドナドを抑えます。しかしその直後、両者は接触、ハミルトンははじき飛ばされてウォールにヒット、その場でレースを終えます。マルドナドもフロントウイングを失いますが、そのまま走り続けることを選択し、順位を大きく落としながらも10位でチェッカーを迎えます。
こうしてレースは、アロンソが今期2勝目を挙げ、2位にはライコネン、3位には復帰後初表彰台のシューマッハーが入ります。以下4位ウェバー、5位ヒュルケンベルグ、6位ロズベルグ、7位ディ・レスタ、8位バトン、9位ペレスが入ります。なおマルドナドが、ハミルトンとの接触により20秒のタイム加算ペナルティーを受けたため、セナが10位に繰り上がりました。
◇感想
今期2勝目を最初に上げたドライバーはなんとアロンソ! しかも11位スタートからの大逆転で、母国レースを制しました。さらに3位には、12位スタートのシューマッハーが入り、荒れたレースを印象づけました。そしてここに来て、ケータハムが戦闘力をつけてきていると実感します。接触がなければ、ペトロフが10位というのも十分可能性があったわけで、いよいよ新興チームからの脱却が見えてきたと言えそうです。
最後に小林ですが、1回目のピットストップでのタイムロスがなければ、アロンソの直後を走っていた計算になるわけで、日本人最高位の2位(あるいは優勝?)に手が届いたかもしれないと思うと残念というか、どうしてペレスは上手くいって小林はダメなんだと、巡り合わせの悪さを思わずにはいられません。マッサとの接触のペナルティーで、次戦は5グリッドダウンとなりますが、ここからの巻き返しを期待したいところです。