Round.14 シンガポールグランプリ
23.Sep.2012 : マリーナベイ・ストリート・サーキット
周回数 : 61周


◇予選

 予選ポールは前戦イタリアに続き、マクラーレン・ハミルトンが獲得します。2位にはウィリアムズ・マルドナドが続き、第5戦スペイン以来のフロントーを獲得します。以下3位レッドブル・ベッテル、4位マクラーレン・バトン、5位フェラーリ・アロンソ、6位フォースインディア・ディ・レスタ、7位レッドブル・ウェバー、8位ロータス・グロージャン、9位メルセデス・シューマッハー、10位同ロズベルグとなります。
 なおザウバー・小林は18位と後方に沈みます。



◇決勝

 各車大きな混乱もなくスタートしますが、1コーナーでややふくらんだウィリアムズ・マルドナドが、3コーナーのインから立ち上がりにかけて、レッドブル・ベッテル、続いてマクラーレン・バトンにかわされてしまいます。こうしてオープニングラップは、マクラーレン・ハミルトン、ベッテル、バトン、マルドナド、フェラーリ・アロンソ、フォースインディア・ディ・レスタ、レッドブル・ウェバー、ロータス・グロージャン、メルセデス・ロズベルグ、同シューマッハーとなります。
 その後各車大きなトラブルや順位変動がないまま、9周目に1回目のピットストップが始まります。まず9周目にウェバーが入り、11周目ベッテル、12周目アロンソ、13周目ハミルトン、15周目バトンと続きます。こうして15周目の順位は、ハミルトン、ベッテル、バトン、マルドナド、フォースインディア・ヒュルケンベルグ、ザウバー・ペレス、アロンソ、ディ・レスタ、ウェバー、ロズベルグとなります。ただしアロンソは、この周にペレスを抜き、6位に順位を戻しています。
 この後しばらくレースは落ち着きをみせます。しかし23周目、トップを快走していたハミルトンが、ギアボックストラブルでスローダウン、リタイヤ一号となってします。また33周目にはHRT・カーティケヤンがターン18で単独クラッシュ、前輪を大きく曲げてしまいリタイヤとなります。そしてこのマシンを処理するため、セフティーカーが入ります。これを見て、各車一斉にピットイン、上位ではアロンソとフォースインディア・ヒュルケンベルグがステイを選択します。しかし同じくステイを選択したマルドナドは、その結果を見る前に油圧系のトラブルで戦列を去ります。
 こうしてレースが再開された39周目のオーダーは、ベッテル、バトン、アロンソ、ディ・レスタ、ヒュルケンベルグ、ペレス、ロズベルグ、グロージャン、トロロッソ・ベルニュ、シューマッハーとなります。しかしこの直後、シューマッハーがベルニュに追突、両者リタイヤとなり、この処理のため再びセフティーカーが入ります。
 レース再開は43周目、この時点でのオーダーは、ベッテル、バトン、アロンソ、ディ・レスタ、ロズベルグ、グロージャン、ロータス・ライコネン、トロロッソ・リチャルド、ウィリアムズ・セナ、フェラーリ・マッサに換わります。直後のターン13で、マッサがコーナーインで一瞬体勢を崩しながらもセナを強引にパス、2周目にパンクによるピットインで最後尾に落ちながらも、9位まで順位を回復します。また48周目には、チームオーダーによりグロージャンがライコネンを前に出し、6位ライコネン、7位グロージャンに順位が換わります。
 50周目、11位争いをしていたウェバーが、数周にわたるバトルの末、ザウバー・小林を抜きます。この後小林は、ヒュルケンベルグ、ペレスに続けざまに抜かれてしまいます。さらにヒュルケンベルグがオーバーテイクする際、小林と接触しており、小林はフロントウイング交換のため、ヒュルケンベルグはパンクのため、それぞれピットインを余儀なくされ、入賞圏争いから脱落してしまいます。その後ウェバーは、54周目にセナをパス、10位まで順位を上げます。一方セナは、59周目にトラブルにより戦列を去ります。
 こうして相次ぐセフティーカーの出動もあり、59周目にレース時間が2時間を超えたため、残り2周を残してチェッカーとなります。こうしてベッテルが今期2勝目を挙げ、2位バトン、3位アロンソの表彰台となります。以下4位ディ・レスタ、5位ロズベルグ、6位ライコネン、7位グロージャン、8位マッサ、9位リチャルド、10位ウェバーとなります。なお小林は13位でした。またレース後ウェバーに対し、小林を抜く際に路外を走行しアドバンテージを得たとして、20秒のタイム加算ペナルティーが課せられます。この結果、ペレスが10位に繰り上がりました(ウェバーは11位)。



◇感想

 ハミルトンが痛すぎるメカニカルトラブルで0ポイント、一方ベッテルは優勝25ポイントで、ちょうど前戦イタリアとは正反対の結果となりました。この結果選手権ランキングは、ハミルトンとベッテルが入れ代わり、アロンソ、ベッテル、ライコネン、ハミルトンの順に。ベッテルとハミルトンが星を食い合って、アロンソ優位とも思えますが、ここに来てマクラーレンとレッドブルの速さにフェラーリはついて行けておらず、アロンソにとって苦しい戦いが続きそうです。不気味なのはライコネン。ポイントを重ねて、未勝利ながら3位につけており、どこかで優勝できれば、一気に選手権の主役に躍り出る可能性がありますね。

 さて28日に大きな発表がありました。メルセデスが来期のドライバーに、現マクラーレンのハミルトンを採用したのです。そして空いたマクラーレンのシートには、現ザウバーのペレスが大抜擢されました。ザウバーからマクラーレンへの大抜擢というと、かつてライコネンがそうでした。前者に習い、ペレスもグレートドライバーへの道を確実に歩んでほしいものです。


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