Round.18 アブダビグランプリ
04.Nov.2012 : ヤス・マリーナ・サーキット
周回数 : 55周
◇予選
予選ポールはマクラーレン・ハミルトン、2位にはレッドブル・ウェバーが入ります。以下3位ウィリアムズ・マルドナド、4位ロータス・ライコネン、5位マクラーレン・バトン、6位フェラーリ・アロンソ、7位メルセデス・ロズベルグ、8位フェラーリ・マッサ、9位ロータス・グロージャン、10位フォースインディア・ヒュルケンベルグとなります。
なおザウバー・小林は15位、レッドブル・ベッテルは燃料規定違反のため予選除外、ピットスタートを選択しています。
◇決勝
ロータス・ライコネンが抜群のスタートを切り、マクラーレン・ハミルトンに次いで、1コーナーに飛び込みます。一方出遅れたのはレッドブル・ウェバーで、順位を2つ下げてしまいます。その後方では、ウィリアムズ・セナにフォースインディア・ヒュルケンベルグが接触、ヒュルケンベルグがリタイヤした他、ロータス・グロージャンとメルセデス・ロズベルグも接触しており、両者早々にピットインを強いられます。一方上位では、フェラーリ・アロンソがウェバーをターン11でオーバーテイクし、この結果オープニングラップは、ハミルトン、ライコネン、ウィリアムズ・マルドナド、アロンソ、ウェバー、マクラーレン・バトン、フェラーリ・マッサ、ザウバー・小林、同ペレス、メルセデス・シューマッハーのオーダーとなります。
9周目、後方から追い上げていたロズベルグが、HRT・カーティケヤンの速度差を見誤り追突、ロズベルグはカーティケヤンのリヤタイヤに乗り上げ、宙を舞います。幸い両者に怪我はなかったものの、コース上に散乱したパーツの除去のため、セフティーカーが入ります。10周目、トロロッソ・リチャルドのブレーキングに、後続のレッドブル・ベッテルがリチャルドを避けようとしてコースを外れます。ここでDRSゾーンを示す看板にぶつかってしまい、フロントウイングを破損してしまいます。この交換のためピットに入ったベッテルは、再度最下位に転落してしまいます。
リスタートは15周目。この時点の順位は、ハミルトン、ライコネン、マルドナド、アロンソ、ウェバー、バトン、マッサ、ペレス、小林、シューマッハーとなります。その後、ハミルトンが後続を引き離しにかかりますが、最速ラップをたたき出した直後にスローダウン、20周目でリタイヤとなります。一方アロンソは、21周目にマルドナドをオーバーテイクし、3位に順位を上げます。23周目、明らかにタイヤがたれてきたマルドナドを、ウェバーが抜きにかかります。しかしウェバーがドアを閉めるのが早すぎ、行き場を失ったマルドナドと接触、この結果ウェバーはスピンを喫し順位を7位まで下げてしまいます。さらにウェバーは、26周目にマッサをオーバーテイクする際にも接触、今度はマッサをスピンさせてしまいます。
ピットストップは26周目の小林から本格的に始まり、29周目にアロンソ、30周目にバトン、32周目にライコネンと続き、38周目のベッテルの作業で一段落となります。この時点の順位は、ライコネン、アロンソ、バトン、ベッテル、グロージャン、フォースインディア・ディ・レスタ、ペレス、ウェバー、マルドナド、小林となります。ここでグロージャンを、ディ・レスタ、ペレスが相次いでオーバーテイク、さらにペレスはディ・レスタも抜きにかかります。サイド・バイ・サイドでターン12を駆け抜けていきますが、ターン13でペレスがアウト側にふくらみコースオフ、コースに戻る際にグロージャンと接触してしまいます。ここではじかれたグロージャンにウェバーが追突、両者リタイヤとなり、この処理のため2回目のセフティーカーが入ります。なおペレスには、事故の原因を作ったとして10秒ストップのペナルティーが課せられ、入賞圏内から脱落してしまいます。
43周目にレースが再開され、ライコネン、アロンソ、バトン、ベッテル、マルドナド、小林、マッサ、セナ、トロロッソ・ベルニュ、ディ・レスタのオーダーとなります。この後、ライコネンが逃げ、アロンソがバトン、ベッテルに追われる展開となります。しかしバトンがアロンソ攻略に手間取っているうち、バトンはベッテルの攻撃に防戦一方となります。しばしこらえたバトンでしたが、52周目、ついにベッテルがバトンの前に立ちます。しかしベッテルの追撃もここまでで、このままライコネンが今期初勝利を挙げ、2位にアロンソが、3位にベッテルが入ります。以下4位バトン、5位マルドナド、6位小林、7位マッサ、8位セナ、9位ディ・レスタ、10位リチャルドの結果となります。
◇感想
荒れたレースを象徴するごとく、最下位スタートのベッテルが表彰台に登り、チャンピオンシップの失点を最小限にすることに成功しました。アロンソはベッテルの前でフィニッシュするという最低限の仕事はできましたが、ポイントはわずかに3ポイント縮まっただけでした。
残り2戦。両者のポイント差は10。ベッテル有利とはいえ、まだまだ判らない展開となる予感です。