Round.2 マレーシアグランプリ
23.Mar.2013 : セパン・インターナショナル・サーキット
周回数 : 56周


◇予選

 ドライで始まった予選は、Q2後半から雨交じりとなり、Q3はウエットコンディションでの戦いとなりました。ただし雨足は強くなく、インターミディエイトタイヤでの戦いとなります。ここでポールを獲得したのはレッドブル・ベッテル、2位にはフェラーリ・マッサ、3位には同アロンソが入ります。以下4位メルセデス・ハミルトン、5位<レッドブル・ウェバー、6位メルセデス・ロズベルグ、7位ロータス・ライコネン、8位マクラーレン・バトン、9位フォースインディア・スーティル、10位マクラーレン・ペレスの結果となります。BR>  なおライコネンは、Q3での走路妨害のため、3グリッド降格のペナルティーを受け、10位スタートとなります。



◇決勝

 雨は止んでいるものの、コースの一部がウェットの状態で始まった決勝、そのため各車インターミディエイトタイヤを装着してのスタートとなります。大きな混乱もなくスタートを切った上位陣でしたが、2コーナーでレッドブル・ベッテルにフェラーリ・アロンソが追突、ベッテルには大きなダメージがなかったものの、アロンソはフロントウイングのステーを破損してしまい、ウイングを引きずっての走行を強いられます。しかしアロンソは、後続のレッドブル・ウェバーの攻撃を抑え込み、オープニングラップはベッテル、アロンソ、ウェバー、メルセデス・ハミルトン、マクラーレン・バトン、フェラーリ・マッサ、メルセデス・ロズベルグ、マクラーレン・ペレス、フォースインディア・スーティル、ザウバー・ヒュルケンベルグのオーダーとなります。
 壊れたウイングで1周を走りきったアロンソでしたが、チームはドライタイヤへの交換のタイミングまで、ウイング交換を引き延ばす判断をします。しかし2周目のストレートエンドで、その目論見は崩れ去ります。片方だけのステーでは、ストレートエンドのダウンフォースを支えきれず、ウェバーに先行されたタイミングでフロントウイングが脱落してしまったのです。脱落したウイングに乗り上げ、マシンのコントロールを失ったアロンソはそのままエスケープゾーンに直進し、そこでレースを終えてしまいます。
 6周目、乾きつつある路面状況に、ベッテル、次いでマッサがピットに入ります。しかしこの時点ではまだ路面の乾きが十分ではなく、8周目にピットに入ったウェバーが、ベッテルの前に出ることに成功します。9周目にロズベルグがタイヤ交換を行い、ここで一旦順位は落ちつき、ウェバー、ベッテル、ハミルトン、ロズベルグ、バトン、ヒュルケンベルグ、マッサ、ペレス、トロロッソ・リカルド、ロータス・グロージャンのオーダーとなります。
 その後20周目から23周目にかけて、各車2回目のピット作業を行い、また31周目から35周目にかけて、3回目のピット作業を行います。ここで35周目にピットインしたバトンは、右フロントタイヤのナットの閉まりが十分でなく、ピットレーン上でタイヤが外れかけてしまいます。こうしてバトンは、ピット前に車を戻すために時間をロスしたことから大きく順位を落とし、入賞圏内から脱落、最後は55周目にガレージに車を戻してリタイヤとなります。
 3回目のタイヤ交換後の順位は、ウェバー、ハミルトン、ベッテル、ロズベルグ、マッサ、グロージャン、ペレス、ヒュルケンベルグ、ロータス・ライコネン、ザウバー・グティエレスとなります。一旦はハミルトンの後塵を拝したベッテルでしたが、39周目の1コーナーで前に出ることに成功し、ウェバーを追いかけることとなります。そして43周目にベッテル、44周目にウェバーがタイヤ交換をした直後から、ベッテルの激しいアタックが始まります。サイド・バイ・サイドでコーナーを駆けていく両者でしたが、46周目、ついにベッテルがウェバーをかわしトップに立ちます。一方ハミルトンとロズベルグも激しいバトルを演じることとなりますが、ハミルトンのタイヤライフが尽きたため、ロズベルグの勝利かと思われた時、ピットからは順位キープの指令が発せられます。こうして56周のレースは、優勝ベッテル、2位ウェバー、3位ハミルトン、4位ロズベルグ、5位マッサ、6位グロージャン、7位ライコネン、8位ヒュルケンベルグ、9位ペレス、10位トロロッソ・ベルニュの順位で終了します。


◇感想

 今回はロータスがオーストラリアのような強さを見せることができず、レッドブルの速さが際だったレースとなりました。そして意外にも、レッドブルに次ぐチームはメルセデスという印象も強くしました。
 さてレースの後、チームオーダーを無視したベッテルが、ウェバーから優勝を奪ったとの話が出ています。正直なところ、コース上で速いドライバーが勝利するのは理にかなったこととは思います。しかし下手をすると両者接触リタイヤという可能性もあり、順位キープのオーダーはこの時点では必要だったと思います。この事例から、レッドブルは自滅によりタイトルを失うのではないか、そんな予感がしています。


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