Round.8 イギリスグランプリ
30.Jun.2013 : シルバーストン・サーキット
周回数 : 52周
◇予選
予選はメルセデス・ハミルトンがポール、そして同ロズベルグが2位と、今期2度目のメルセデスのフロントロー独占となります。以下3位レッドブル・ベッテル、4位同ウェバー、5位フォースインディア・ディ・レスタ、6位トロロッソ・リチャルド、7位フォースインディア・スーティル、8位ロータス・グロージャン、9位同ライコネン、10位フェラーリ・アロンソとなります。
なお5位ディ・レスタは、車両重量違反により予選除外(決勝は最下位スタート)となり、10位にはマクラーレン・バトンが繰り上がります。
◇決勝
スタートではメルセデス・ロズベルグがやや出遅れ、レッドブル・ベッテルがメルセデス・ハミルトンに次いで1コーナーへ飛び込みます。ロズベルグよりもさらにスタートが悪かったレッドブル・ウェバーは、1コーナーでロータス・グロージャンと接触しフロントウイングを破損、14位まで順位を下げてしまいます。逆に素晴らしいスタートを見せたのはフェラーリ・マッサで、12位から5位まで大きく順位を上げることに成功します。こうしてオープニングラップは、ハミルトン、ベッテル、ロズベルグ、フォースインディア・スーティル、マッサ、ロータス・ライコネン、トロロッソ・リチャルド、ロータス・グロージャン、フェラーリ・アロンソ、マクラーレン・バトンの順になります。
序盤はハミルトンとベッテルがハイペースで逃げ、スーティル以下が離される展開となります。しかし8周目、トップのハミルトンの左リアタイヤがバースト、ショルダー部分からトレッドが完全に剥離してしまいます。同じようなトラブルは、10周目にマッサ、14周目にトロロッソ・ベルニュにも発生し、レースは荒れ気味の展開となります。相次いだタイヤバーストにより、コース上にはゴム片が散乱し、この対処のため、16周目からセフティーカーが入ります。リスタートは21周目、この時点での順位は、ベッテル、ロズベルグ、スーティル、アロンソ、ライコネン、グロージャン、リチャルド、マクラーレン・ペレス、ウェバー、バトンとなります。
その後レースは一旦落ち着き、30周目から、各車2回目のピット作業を迎えます。こうしてトップのベッテルがピットアウトした36周目の順位は、ベッテル、ロズベルグ、ライコネン、ウェバー、アロンソ、ハミルトン、スーティル、ディ・レスタ、リチャルド、ペレス、グロージャンとなります。しかし荒れ模様のレースは、ベッテルをもその餌食にします。41周目、ベッテルがスローダウン、ギアボックストラブルからメインストレートでマシンを止めます。このマシンの除去のため、2回目のセフティーカーが入ります。
レース再開は46周目。この時点での順位は、ロズベルグ、ライコネン、スーティル、リチャルド、ウェバー、ペレス、バトン、アロンソ、ハミルトン、グロージャンとなります。しかしレース再開直後、ペレスの左リアタイヤがバースト、今レース4人目の犠牲者となってしまいます。ペレスはピットに戻りますが、エンジンとギアボックスを養生するためレースを終えます(レースは完走扱い)。残り10周のスプリントレース、強さを見せたのはウェバー、アロンソ、ハミルトン、マッサで、ほぼ毎周に渡りオーバーテイクが繰り広げられます。一方トップのロズベルグもペースアップし、ウェバーの追撃をかわします。
こうしてレースは、ロズベルグが2勝目を挙げ、2位ウェバー、3位アロンソのポディウムとなります。以下4位ハミルトン、5位ライコネン、6位マッサ、7位スーティル、8位リチャルド、9位ディ・レスタ、10位ザウバー・ヒュルケンベルグの結果となります。
◇感想
ピレリタイヤのお粗末に尽きるレースでした。よりによって、タイヤトラブルでトップが入れ代わるのはいかがなものかと。正直なところ、2005年のアメリカGP、タイヤトラブルから全ミシュランユーザーが0周リタイヤしたあのレースの次くらいの不祥事だと思います。
それを除けば、ウェバーの追撃が光ったレースでした。今期限りでの引退を発表したウェバーでしたが、ツボにはまったときの速さは、いささかも衰えを見せていません(逆に言うとその波の激しさが、彼をナンバー2に留めた理由か)。残念ではありますが、年長者が退いていくのもスポーツ界での定め。ラストランまでしっかり見届けていきたいと思います。
※これでバトンがとうとう最年長に・・・