Round.7 カナダグランプリ
08.Jun.2014 : サーキット・ジル・ビルヌーブ
周回数 : 70周


◇予選

 予選トップはメルセデス・ロズベルグ。2位には同ハミルトンが入り、3戦連続でメルセデスがフロントローを独占するとともに、開幕からの連続ポールポジション記録を7に伸ばします。以下3位レッドブル・ベッテル、4位ウィリアムズ・ボッタス、5位同マッサ、6位レッドブル・リカルド、7位フェラーリ・アロンソ、8位トロロッソ・ベルニュ、9位マクラーレン・バトン、10位フェラーリ・ライコネンとなります。
 ケータハム・小林は20位でした(ギアボックス交換により、レースは21番スタート)。


◇決勝

 スタートではメルセデス・ハミルトンの加速が良く、1コーナー手前で、わずかに同ロズベルグの先に出ます。しかしロズベルグもインを譲らず、この結果ハミルトンが外側へ押し出される形となり失速、レッドブル・ベッテルにも抜かれてしまいます。一方後方では、マルシャ・チルトンが同僚ビアンキと接触、両者リタイヤとなります。なおウォールにヒットして大破したビアンキ車の除去のため、セフティーカーが入ります。
 リスタートは8周目、この時点でのオーダーは、ロズベルグ、ベッテル、ハミルトン、ウィリアムズ・ボッタス、同マッサ、レッドブル・リカルド、トロロッソ・ベルニュ、フェラーリ・アロンソ、同ライコネン、マクラーレン・バトンとなります。10周目、ハミルトンがベッテルをパス、2位に上がります。その後14周目から20周目にかけて、各車1回目のタイヤ交換に入ります。こうして20周目の順位は、ロズベルグ、ハミルトン、フォースインディア・ペレス、同ヒュルケンベルグ、ベッテル、ボッタス、リカルド、アロンソ、マッサ、ベルニュに換わります。35周目、ここまでピット作業を遅らせていたペレスがピットイン、1回目のタイヤ交換を行います。またこの直後から、各車2回目のピット作業が始まります。こうしてハミルトンが2回目のタイヤ交換を行った42周目、順位はマッサ、ロズベルグ、ハミルトン、ペレス、リカルド、ベッテル、ヒュルケンベルグ、ボッタス、アロンソ、ベルニュとなります。今期初めてメルセデス勢からラップリーダーを奪ったマッサでしたが、48周目に2回目のタイヤ交換のため8位に順位を下げます。このタイヤ交換と前後して、ロズベルグ、ハミルトンのパワーユニットにトラブルが発生、1〜2秒ラップタイムが落ちます。そして47周目、ハミルトンがブレーキトラブルのためリタイヤとなります。
 レース終盤、完走ねらいに目標を切り替えたロズベルグに対し、ペレス、リカルド、ベッテル、ヒュルケンベルグ、マッサが、各々1秒以内のタイム差で続く状況となります。各車抜きあぐねる状態が続きますが、ペレスのブレーキにトラブルが発生したことから、66周目にリカルドがペレスをパスすることに成功します。そして68周目、リカルドがロズベルグを捕らえ、ストレートでトップに躍り出ます。一方ブレーキトラブルを抱えたペレスは、69周目にベッテルにも抜かれ、70周目にマッサとの差がなくなります。しかし1コーナーの進入で接触、両者激しくタイヤバリアに叩きつけられます。幸い怪我はなかったものの、レースは黄旗が提示され、セフティーカー先導でフィニッシュとなります。
 こうしてリカルドが自身初の優勝を飾るとともに、2位にはロズベルグ、3位にはベッテルが入ります。以下4位バトン、5位ヒュルケンベルグ、6位アロンソ、7位ボッタス、8位ベルニュ、9位マクラーレン・マグヌッセン、10位ライコネンの結果となります。
 なおケータハム・小林は、25周目に右リアのトラックロッドが破損、リタイヤの結果でした。



◇感想

 メルセデスの連勝が、ついに止まりました。そして劇的なリカルドの初優勝の結果となりました。まずはリカルド、おめでとう!
 一方、マッサとペレスのクラッシュは、非常に激しいものでした。一歩間違えると、ベッテルも巻き込んで、大惨事になりかねない状況でした(ペレスに接触したマッサは、フロントタイヤを失い、ほとんど減速できないまま1コーナーをショートカット、ベッテルの目前を横切り、2コーナー外側のタイヤバリアに激突しています)。シュチュワードの判定は、ペレスがレーシングラインを故意に変えたためとなりましたが、ともかく負傷者が出なくて幸いでした。


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