Round.9 イギリスグランプリ
06.Jul.2014 : シルバーストン・サーキット
周回数 : 52周


◇予選

 雨の予選を制したのはメルセデス・ロズベルグ。最終アタックで暫定トップの同ハミルトンをかわし、ポールを獲得します。一方のハミルトンは、最終アタックを見送ったことが裏目に出て、一挙5人に抜かれ、6位に甘んじる結果となります。2位は第2戦マレーシア以来のフロントロー獲得のレッドブル・ベッテル、3位にはマクラーレン・バトンが入り、今期ベストグリッドを獲得します。以下4位フォースインディア・ヒュルケンベルグ、5位マクラーレン・マグヌッセン、6位ハミルトン、7位フォースインディア・ペレス、8位レッドブル・リカルド、9位トロロッソ・クビアト、10位同ベルニュとなります。
 なおケータハム・小林は21位でした。


◇決勝

 各車問題なくスタートを切った中、ターン5でフェラーリ・ライコネンがコースオフ、さらにコースに戻る際に縁石でバウンドしたことで体勢を崩し、スピンを喫します。これにウィリアムズ・マッサが接触、マッサはフロントウイングとリヤタイヤに深刻なダメージを受け、ピットにたどり着く前にリタイヤとなります。一方のライコネンは、接触の衝撃でパーツをまき散らしながらガードレールに衝突、マシンは大破しリタイヤとなります。両者大きな怪我はなかったものの、破片の除去とガードレールの補修のため、レースは約1時間に渡り赤旗・中断となります。
 レースはセフティーカーの先導で再開され、3周目からリスタートとなります。この時点での順位はメルセデス・ロズベルグ、マクラーレン・バトン、同マグヌッセン、メルセデス・ハミルトン、レッドブル・ベッテル、フォースインディア・ヒュルケンベルグ、レッドブル・リカルド、トロロッソ・クビアト、ウィリアムズ・ボッタス、マルシャ・ビアンキとなります。レース序盤、存在感を見せつけたのはハミルトンとボッタスでした。ハミルトンは3周目にマグヌッセン、続く4周目にバトンと立て続けに抜き去り、2位に順位を上げます。またボッタスも、3周目にクビアトとリカルド、14周目にマグヌッセン、17周目にバトンを抜き、3位に順位を上げます。
 一方トップのロズベルグは、快調に周回を重ね、19周目のピットイン時点で、2位ハミルトンとの差を5秒以上築くことに成功します。しかし25周目にハミルトンがタイヤ交換をしてから一転、徐々にその差は縮まり、28周目には2秒差まで詰め寄られてしまいます。そして29周目、ロズベルグのギアが6速でスタックしてしまいスローダウン、システムをリセットするも回復せず、リタイヤとなります。この結果、ハミルトンがトップとなり、以下ボッタス、ベッテル、リカルド、バトン、アロンソ、マグヌッセン、ロータス・グロージャン、ヒュルケンベルグのオーダーに換わります。
 32周目、ボッタスが1回目のピットに入り、ベッテルの後ろでコースに復帰します。そして34周目、ベッテルをオーバーテイクすることに成功します。この直後、ベッテルはピットに入り、5位アロンソの前で周回に復帰します。しかしここでアロンソがベッテルをオーバーテイク、5位の座を奪い返します。そしてここから、二人のワールドチャンピオンのバトルが繰り広げられます。37周目、ベッテルがアロンソのインを突き一瞬前に出ますが、アロンソはクロスラインを取り、ここでは順位をキープします。そして48周目、ベッテルがストレートエンドからアロンソに並びかけ、両者サイド・バイ・サイドのままコーナーを駆け抜けていきます。そして最後はターン9のブレーキングでベッテルがアロンソの前に出ることに成功します。
 ベッテル・アロンソ両者による接触ギリギリのバトルを最後の順位変動として、52周のレースはチェッカーを迎えます。こうしてハミルトンが優勝し、2位にはボッタス、3位にはリカルドが入ります。以下4位バトン、5位ベッテル、6位アロンソ、7位マグヌッセン、8位ヒュルケンベルグ、9位クビアト、10位ベルニュの結果となります。なおケータハム・小林は15位完走でした。



◇感想

 何よりも、ベッテルとアロンソのバトルに尽きます。オンボード映像からも、両者の間隔はほぼゼロ、されどタイヤが、相手のサイドポンツーンに接触することは最後までありませんでした。クリーンで見応えのあるバトルに拍手です!!(無線では互いに相手をののしっていましたがw)。
 さてレースはハミルトンが優勝し、リタイヤ・ノーポイントに終わったロズベルグとの差を4ポイントに縮めました。グランプリは次戦で折り返し地点ですが、まだまだチャンピオンシップの行方は判りませんね。楽しみなことです。


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