Round.16 アメリカグランプリ
25.Oct.2015 : サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
周回数 : 56周


◇予選

 ハリケーンの影響で、決勝当日に行われた予選、さらにQ3はキャンセルという異例の事態となります。
 この状況でポールを獲得したのはメルセデス・ロズベルグ。2位に終わった同ハミルトンの連覇阻止を狙います。以下3位レッドブル・リカルド、4位同クビアト、5位フェラーリ・ベッテル、6位フォースインディア・ペレス、7位同ヒュルケンベルグ、8位フェラーリ・ライコネン、9位ウィリアムズ・マッサ、10位トロロッソ・フェルスタッペンとなります。
 なおベッテルとライコネンはエンジンエレメントの交換で10グリッド降格となり、マクラーレン・アロンソが9位、ロータス・グロージャンが10位スタートに、それぞれ繰り上がります。
 また107%ルールに抵触したトロロッソ・サインツは、スチュワートの判断により決勝参加が認められます。



◇決勝

 雨は止んだものの、ウエット路面で迎えた決勝、全車インターミディエイトを装着してのスタートとなります。このスタートでは、メルセデス・ロズベルグの加速が悪く、同ハミルトンがターン1でインを奪います。しかしハミルトンも外に膨らんでしまいロズベルグをコース外に押しやってしまいます。この結果ロズベルグはレッドブル・クビアト、同リカルドに抜かれ4位にまで順位を下げてしまいます。その後ろには、フォースインディア・ペレス、同ヒュルケンベルグ、フェラーリ・ベッテル、トロロッソ・フェルスタッペン、マクラーレン・バトン、フェラーリ・ライコネンが続きます。
 2周目、ライコネンがバトンをパス、9位に順位を上げます。一方のバトンは、トロロッソ・サインツにも抜かれ、トップ10内から姿を消します。5周目、スタート時の接触によるデブリの除去のため、バーチャル・セフティーカーが入ります。レース再開は8周目、この時点での順位は、ハミルトン、クビアト、リカルド、ロズベルグ、ペレス、ベッテル、フェルスタッペン、ライコネン、サインツ、ヒュルケンベルグとなります。ここでロズベルグがリカルド次いでクビアトをパス、ハミルトンの追撃態勢に入ります。しかしウエットでのレッドブルの速さは素晴らしく、13周目にクビアトがロズベルグをに並びます。ここではクビアトがオーバランを喫し、順位を落としてししまいます。しかし代わりに3位に上がったリカルドは、同周ロズベルグ、さらに15周目にはハミルトンをもパスし、トップに立ちます。一方のハミルトンはタイヤの熱ダレが激しく、18周目にはロズベルグにも抜かれてしまい、翌19周目にピットイン、タイヤをドライタイヤに履き替えます。翌20周目、リカルド、ロズベルグ、クビアト、ペレス、ライコネン等、上位がピットに入り、全車ドライタイヤに換装します。なおライコネンはコースオフした際に右フロントをバリアに接触させてしまい、この結果ブレーキ冷却系にダメージを受け26周目にリタイヤとなります。
 22周目、ロズベルグがリカルドを捉え難なくオーバーテイク、トップに返り咲きます。さらに24周目にはハミルトンもリカルドを抜き、メルセデスがドライコンディションでの格の違いを見せつけます。27周目、ターン11でザウバー・エリクソンがスローダウン、そのままコース脇にマシンを止めます。この処理のため、セフティーカーが入ります。このタイミングでベッテル、ヒュルケンベルグ、サインツ、ペレス、バトン、ロータス・マルドナドがピットイン、この結果ロズベルグ、ハミルトン、リカルド、クビアト、ベッテル、フェルスタッペン、ヒュルケンベルグ、ペレス、バトン、サインツのオーダーとなります。
 リスタートは33周目、ここでベッテルがクビアトをパス、続いてリカルドに仕掛け、一旦は前に出ることに成功します。しかしリカルドも直後に抜き返し、勝負は翌週に持ち越されます。しかしトップスピードに勝るベッテルは、34周目にリカルドをパス、3位に順位を上げます。同周、クビアトがフェルスタッペンをオーバーテイクした直後にオーバーラン、この間隙をついてヒュルケンベルグがフェルスタッペンとクビアトの前に出ます。しかし36周目、ヒュルケンベルグがリカルドをパスする際に両者が接触、ヒュルケンベルグはフロントウイングを失いリタイヤとなります。さらにこの処理のため、バーチャル・セフティーカーが入ります。ここでロズベルグとリカルド。クビアトがピットに入ります。しかしその他はステイを選択します。
 レース再開は40周目、この時点での順位は、ハミルトン、ベッテル、フェルスタッペン、ロズベルグ、バトン、ペレス、マクラーレン・アロンソ、サインツ、マルドナド、クビアトとなります。ここでロズベルグがフェルスタッペンをパス、次いで42周にはベッテルも攻略し、再度メルセデスの1-2体制となります。しかし43周目、クビアトが濡れた芝にタイヤを落としコントロールを失います。この結果クビアトはノーズからガードレールにヒット、さらにバウンドしてコースを横切りストップしてしまいます。この処理のため、2度目のセフティーカーが入ります。このタイミングでハミルトン、ベッテル、サインツ、マルドナド等がピットイン、この結果順位は、ロズベルグ、ハミルトン、フェルスタッペン、ベッテル、アロンソ、ペレス、リカルド、バトン、マルドナド、サインツとなります。
 レース再開は47周目、ここから残り10のスプリントレースとなります。ここでベッテルがフェルスタッペンをパス、3位に順位を上げます。一方トップのロズベルグは、48周目に痛恨のオーバランを喫しコースオフ、ここでハミルトンがトップに立ちます。50周目ペレスがアロンソをパス、さらに後方では、サインツとリカルドのバトルの隙をつき、バトンが一気に両者を抜き去ります。さらにバトンはアロンソもパス、6位に順位を上げます。この後アロンソはサインツ、マルドナド、ザウバー・ナッセに抜かれ10位へ転落してしまいます。54周目、サインツが再度バトンの前に出ることに成功します。
 こうしてハミルトンが3連勝を飾り、2年連続でドライバーズタイトルを手にします。2位はロズベルグ、3位はベッテルが入ります。以下4位フェルスタッペン、5位ペレス、6位サインツ、7位バトン、8位マルドナド、9位ナッセ、そして54周目にアロンソをかわしたリカルドが、10位に入ります。
 なおサインツはピットレーンの速度違反のため、レース後+5秒のタイム加算のペナルティーが課せられます。この結果、バトンが6位に繰り上がります。



◇感想

 ロズベルグの自滅により、ハミルトンの戴冠が決定するという、ちょっと残念な結果でした。ロズベルグは、セフティーカーにより後続にギャップを詰められるという不運に加え、2回目のセフティーカーのタイミングがハミルトンに優位に働いたということで、少し冷静さを欠いたのかもしれません。
 ドライバーズ、コンストラクターズの両タイトルが決まった残り3戦、ベッテルとロズベルグの2位争いに焦点が移ります。現時点でポイント差はわずかに4。ポイントで負けているロズベルグですが、マシン性能はメルセデスが優位なことから、取りこぼしさえなければロズベルグが順当に2位になるように思えますが・・・


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