Round.11 ハンガリーグランプリ
15.Aug.1999 : ハンガロリンク


◇予選グリッド

 F1屈指の高速コース・ホッケンハイムから一転して、ハンガロリンクはモナコに次ぐ低速コース。ここでもマクラーレン・ハッキネンがポールポジションを会得します。
 しかしわずか0.1秒差で、ポイントリーダーたるフェラーリ・アーバインがつけ、低速コースでのフェラーリ健在をアピールします。3位はマクラーレン・クルサード。こちらもアーバインとは0.1秒の僅差につけています。
 4位には、空力特性をモディファイしたベネトンを駆るフィジケラがつけ、今期ベストグリッド。5位6位はジョーダン勢、フレンツェン、ヒルの順です。以下7位ベネトン・ブルツ、8位スチュワート・バリチェロ、9位BAR・ビルヌーブ、10位スチュワート・ハーバートとなっています。
 ドイツにて、セカンドドライバーの役割を十二分に果たしたフェラーリ・サロは、セッティングが上手くまとまらず18位、アロウズ高木は21位スタートです。


◇決勝

 スタートではフェラーリ・アーバイン、マクラーレン・クルサードがダッシュに失敗、アーバインは2位を辛うじてキープできましたが、クルサードはベネトン・フィジケラ、ジョーダン・フレンツェンに先を越され、5位までドロップダウンしてしまいます。それ以外には混乱らしい混乱もなく、オープニングラップを終えます。
 トップに立ったマクラーレン・ハッキネンは、順調に2位以下を引き離しにかかります。15周目には、2位アーバインとの差が9秒、1回目のピットストップが始まる頃の25周には、トップで戻れるだけのマージンである20秒近くの差を築き上げ、独走態勢に入ります。3位以下はフィジケラ、フレンツェン、クルサードが団子状態。ピットインのタイミングと、ピットクルーの作業如何によっては順位が変動する可能性が十分です。
 26周を迎え、アロウズ・高木がピットイン。1回目のピットストップの口火を切ります。なお高木は、このわずか2周後、ドライブシャフトの破損のためスローダウン、リタイヤを喫してしまいます。28周にはフィジケラがピット作業を行い、以下33周まで上位陣のピットストップが続きます。
 1回目のピットストップの結果、順位は1位ハッキネン、2位アーバイン、3位スチュワート・バリチェロ、4位クルサード、5位フィジケラ、6位フレンツェンとなります。なおバリチェロは1ストップの作戦のようです。
 そのバリチェロがピットストップしたのは、ほぼ半分の周回を終えた40周目。なおフェラーリ・サロも1ストップ作戦を選び、45周目にピットインを行いました。
 この頃になると、2位アーバインと3位クルサードのタイム差は1秒を切るところまで詰まってきます。がアーバインはクルサードに付け入る隙を与えません。50周目を迎え、2ストップ作戦を選択した各マシンが、続々とピットに収まっても、後からピットインした方が有利との思惑から、この2台は周回を続けます。結局58周目、アーバインとクルサードが同時にピットイン、僅差でアーバインが2位を守り、周回に復帰します。
 その間、52周にピットインしたフィジケラでしたが、リスタートできずリタイヤすることになります。
 さて、40周から2位争いを続けていたアーバインとクルサードでしたが、63周目にアーバインがバランスを崩しコースアウト、大きくタイムロスすることによって決着を見ます。
 結果マクラーレンの1-2体勢が整い、このまま優勝ハッキネン、2位クルサード、3位アーバインで幕を閉じました。4位にフレンツェン、5位に1ストップのバリチェロ、6位にジョーダン・ヒル、7位ベネトン・ブルツ、8位プロスト・トゥルーリ、9位ウィリアムズ・シューマッハー弟、10位プロスト・パニスの順位でした。


◇感想

 マクラーレンが1-2で逃げ切り、フェラーリとのコンストラクターズポイントの差を4ポイントに縮めます。またドライバーズでも、トップのアーバインとハッキネンの差は再び2ポイント。若干マクラーレンの有利が戻ってきました。
 コンストラクターズで面白いのは、5位ベネトンと6位スチュワート。こちらもポイント差はわずか2ポイント。残り5戦、目が離せません。
 BAR・ビルヌーブは今回も完走できず、開幕11戦連続リタイヤ。かつてのワールドチャンプも、今は忍の一文字の様です。


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