Round.12 ベルギーグランプリ
29.Aug.1999 : スパ−フランコルシャルン


◇予選グリッド

 圧倒的な予選での強さを誇るマクラーレン・ハッキネンが、今期10回目のポールポジションを獲得、同僚のクルサードを従え、今期4回目のマクラーレンフロントロー独占となりました。3位にはジョーダン・フレンツェンが、4位にはジョーダン・ヒルが並んでの、ジョーダンによるセカンドロー独占。5位にはウィリアムズ・シューマッハー弟が、6位にようやくポイントリーダーたるフェラーリ・アーバインが来ます。以下7位スチュワート・バリチェロ、8位ウィリアムズ・ザナルディー、9位フェラーリ・サロ、10位スチュワート・ハーバートが来ます。
 予選オー・ルージュでマシン全損のクラッシュを演じたBAR勢、ビルヌーブが11位、ゾンタが14位となります。
 アロウズ高木は19位からのスタートになります。


◇決勝

 スタートはマクラーレン・クルサードが好ダッシュ、ハッキネンをかわしトップで第1コーナーラ・スルスへと侵入します。ですがここで、インにねじ込んだマクラーレン・ハッキネンと接触、あわやオーストリアグランプリの二の舞か?と思わせますが、両者なんとか順位を保ってオープニングラップを終了します。3位にはジョーダン・フレンツェンが、4位には6位からジャンプアップのフェラーリ・アーバインがつけます。続いてウィリアムズ・シューマッハー弟、同じくウィリアムズ・ザナルディー、ジョーダン・ヒル、フェラーリ・サロ、スチュワート・バリチェロ、ザウバー・アレジのトップ10で周回を重ねます。なお、アロウズ高木はスタートできず0周リタイヤ、BARゾンタもスタートできず、大きく遅れてスタートとなります。
 そして大きな順位変動のないまま、14周目から1回目のピットストップが始まります。ですがここでもトップ勢に順位は変動なく、周回に戻っていきます。
 トップがピット作業を終えた直後の20周目、ザウバー・ディニスが予選でBARの2台のマシンを飲み込んだオー・ルージュでスピン、激しくスピンしながらグラベルに突っ込みます。幸いグラベルで十分に減速されており、タイヤバリアへ軽くヒットしただけで済みました。
 それ以外に大きな事故やトラブルもなく、2回目のピットストップが29周辺りから始まります。このピット作業の間に、サロがヒルに抜かれヒル6位、サロ7位の順位になった他、劇的なピット逆転も起こらず、結局このままのオーダーで周回が進みます。
 そして残り周回が僅かになるころ、注目は目下1位を快走しているクルサードに、チームオーダーが出されるか否かに移ってきます。現在トップがクルサード、2位ハッキネン、ポイントリーダーのアーバインは4位です。このままの順位ですと、ハッキネン+6ポイント、アーバイン+3ポイントで、ドライバーズポイントはハッキネンが1ポイント差でトップに立てますが、仮にハッキネンが1位であれば、その差は5ポイントに広がるのです。今後のドライバーズタイトルでは、大きなアドバンテージになるはずです。
 ですがマクラーレンの監督たるロン・デニスはチームオーダーを出さず、今期3度目のマクラーレン1-2フィニッシュは、1位クルサード、2位ハッキネンの一風変わった結果になりました。
 3位にはフレンツェンが、4位にアーバン、5位にシューマッハー弟、6位ヒルが続き、淡々としたベルギーは終わったのです。なお開幕連続11戦リタイヤの記録を打ち立てたBAR・ビルヌーブですが、今期初完走を15位で果たしました。
 そして8年連続で、ポールポジションが優勝できないというジンクスが残りました。


◇感想

  マクラーレン1-2で、ドライバーズ・コンストラクターズのダブルタイトルで、マクラーレンがトップに立ちました。クルサードに順位を譲らせるチームオーダーが発せられなかったのは、マクラーレンの余裕でしょうか。ですが結果としては2戦連続の1-2。開幕当初はあれほど不安が残った信頼性が、ここに来て大きく改善されており、それが余裕につながっているのかも知れません。案外ドライバーズは自力で取れという、ロン・デニスの激なのかも。
 次戦イタリアからはシューマッハー兄の復帰が予想されており、大いにハッキネンを悩ませることでしょう。


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