Round.15 マレーシアグランプリ
17.Oct.1999 : セパン サーキット


◇予選グリッド

 今シーズンは出走しないと語っていたフェラーリ・シューマッハー兄が、突然のカムバック。しかも驚異の1分39秒台のタイムで、復帰第1戦をポールポジションからのスタートで飾ります。チームメイトに触発されてか、フェラーリ・アーバインが前2戦の不調を吹き飛ばす2位。ついで1秒離れでマクラーレン・クルサードとハッキネンがセカンド・ローを占めます。サード・ローはハーバート、バリチェロのスチュワート勢。ニュルブルクリンクの再現なるか、という所でしょうか。以下7位ベネトン・ブルツ、8位ウィリアムズ・シューマッハー弟、9位ジョーダン・ヒル、10位BAR・ビルヌーブのトップ10でした。好調ジョーダン・フレンツェンは、今季ワーストの14位スタート、アロウズ・高木は最後位22位でした。

◇決勝

 フォーメーションラップでは、プロスト・トゥルーリがエンジンブローでTカーに乗り換えた以外、大きなトラブルもなく、スタートを迎えます。スタートでは上位に順位変動がなく、無難にレースが始まります。ただし後方ではベネトン・フィジケラがジョーダン・ヒルをプッシュしてスピン、フィジケラはレースに復帰できたものの、ヒルは早々のリタイヤとなってしまいます。
 オープニング・ラップを飾ったのは、ポールスタートのフェラーリ・シューマッハーでした。以下2位にフェラーリ・アーバイン、3位マクラーレン・クルサード、4位マクラーレン・ハッキネン、5位スチュワート・バリチェロ、6位スチュワート・ハーバート、7位ベネトン・ブルツ、8位ウィリアムズ・シューマッハー弟、9位BAR・ビルヌーブ、10位ザウバー・アレジの順位でラップが続きます。
 しかし3周目、トップのシューマッハー兄が突如スローダウン、アーバインがトップになります。その後もシューマッハー兄のペースはあがらず、4周目にはクルサードにも抜かれてしまい、これでアーバイン、クルサード、シューマッハー、ハッキネンの順になります。しかしここからシューマッハーはハッキネンを押さえ続けます。そうしているうちに、15周目に2位走行中のクルサードがスローダウン、そのままリタイヤとなります。
 これで打つ手がなくなったのか、シューマッハー兄の後ろを嫌ったのか、一人ハードタイヤ(ソフト)をチョイスし、1ワンストップ作戦を示唆していたハッキネンでしたが、27周目にピットイン、7秒強という1ストップとは考えがたい給油時間でピットを後にします。この時点でピット作業を終えているのは、アーバイン、バリチェロ、そしてハッキネン。シューマッハー兄、フレンツェン、ハーバートは1ストップの可能性が出てきます。
 41周目、トップを走っていたアーバインが、最後のピット作業を6.7秒で終え、3位で周回に復帰します。そして48周目、2位を走行のハッキネンが2回目のピットに入ります。出てきたときはハーバートの後ろの4位と、大きく順位をおとす結果となります。その後53周にはシューマッハー兄が順位を譲る形でアーバインを先行させ、これでアーバインの優勝が堅くなります。結局優勝アーバイン、2位にシューマッハー兄が入ります、3位には55周目になんとかハーバートを抜いたハッキネンが入り、4位に惜しくも表彰台をのがしたハーバート、5位バリチェロ、6位フレンツェンのリザルトでレースは終了しました。いえ、終了したはずでした。
 その後突然のフェラーリの失格。前輪のディフレクターの取り付け位置が、レギュレーションに違反しているとのことで、アーバイン・シューマッハー兄はレースから除外となったのです。結局、優勝ハッキネン、2位ハーバート、3位バリチェロ、4位フレンツェン、5位ザウバー・アレジ、6位ベネトン・ブルツの順位になりました。

◇感想

 アーバインとハッキネンのポイント差4ポイント。鈴鹿決戦か?と思った矢先のフェラーリの失格。フェラーリは控訴しているので、ハッキネンの2年連続ワールドチャンプ、そしてマクラーレンのコンストラクターズタイトルには暫定が付きますが、おそらく判定は覆らないであろうとのこと。今年のチャンピオンシップは、何とも歯切れが悪い終わり方になりそうです。願わくば、ハッキネンが鈴鹿で優勝して文句なしのチャンプになってもらいたいものです。


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