Round.15 日本グランプリ
31.Oct.1999 : 鈴鹿サーキット


◇予選グリッド

 フェラーリ・シューマッハー兄が、復帰後2連続となるポールポジションを獲得、チャンピオンシップ獲得には、どうしてもポールが欲しかったマクラーレン・ハッキネンでしたが、わずかに及ばず2位。3位には僚友ハッキネンの援護を約束するクルサードが続きます。4位にはジョーダン・フレンツェンが入り、目下のポイントリーダー、フェラーリ・アーバインの直前に入り込みます。そのアーバイン、セッティングがうまくいかず、また3回目のアタック中のクラッシュが響いて5位止まりでした。以下6位プロスト・パニス、7位プロスト・トゥルーリ、8位スチュワート・ハーバート、9位ウィリアムズ・シューマッハー弟、10位ザウバー・アレジのトップ10でした。今季での引退が決まっており、F1ラストランのジョーダン・ヒルは12位、母国グランプリアロウズ・高木は19位からのスタートです。


◇決勝

 アーバインの順位に関係なくチャンピオンシップをとるためには、優勝が必要なマクラーレン・ハッキネン。このプレッシャーにもつぶされず、好スタートを決め、トップで第1コーナーに侵入します。2位にはフェラーリシューマッハー兄、3位ジャンプアップのプロスト・パニスがつけ、4位フェラーリ・アーバイン、5位マクラーレン・クルサード、6位ジョーダン・フレンツェンの順でオープニングラップを終えます。
 周回を重ねる毎に、じりじりと2位以下を引き離すハッキネン。さすがのシューマッハー兄もそのペースには付いていけません。一方のアーバインは、1周毎に1秒以上もハッキネンから引き離されてしまいます。
 飛ばしに飛ばしたハッキネンが、給油のピットインを行ったのは20周目、ここに暫定でシューマッハー兄がトップに立ちます。そのシューマッハー兄も23周にピットイン、クルサードも続きます。アーバインは1周遅れの24周にピットイン。ですがピットアウトの際、クルサードにわずかの差で前へ出られてしまいます。
 その後ハッキネン、シューマッハー兄、クルサード、アーバイン、フレンツェン、シューマッハー弟(ウィリアムズ)の順でしばらく周回が続きます。
 30周から、今度は2回目のピットストップが始まります。クルサードに抑えられ、タイムロスしていたフレンツェンとアーバインが、ルーチン(計画通り)の周回より若干早めの32周、33周に相次いでピットイン。その後35周にクルサードが単独スピン、タイヤバリアに接触しノーズウイングを失いピットへ。38周にはシューマッハー兄が給油を済ませます。39周にハッキネンがピットイン。ですが順位を落とすことなく、トップで周回に復帰します。40周にはクルサードが、スピンの後遺症でリタイヤしています。
 その後トップに順位の変動はなく、優勝ハッキネン、2位シューマッハー兄、3位アーバイン、4位フレンツェン、5位シューマッハー弟、6位ザウバー・アレジのトップ6でした。アロウズ・高木は45周にトラブルでリタイヤしています。
 結果、1999年ドライーバーズ・チャンピオンはミカ・ハッキネンが連覇で飾り、コンストラクターズ・チャンピオンは17年振りにフェラーリが獲得しました。ハッキネンと2位アーバインの差は、わずか2ポイント、フェラーリと2位マクラレーンの差は4ポイントでした。


◇感想

 最後はチャンプに相応しく、優勝で決めたハッキネン。見事なレース展開でした。一方のアーバインはチャンピオンは逃しましたが3位入賞で、マクラーレンのコンストラクターズを阻止。最後まで「最高のNo.2」を演じました。正直、今年アーバインのチャンプは相応しくない(ポールポジションがない、シューマッハー兄に予選成績で及ばない等)と思っていたので、最良の結果だったように思えます。


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