Title: ToHeart(SLPS01919-01920)
創りてさん: AQUAPLUS
購入価格: \6080-(TAX Excluded)
購入日:Mar 27 1999
ジャンル: 掃除ゲー
主観的プレイ時間: 7H程度

別に嫌なわけじゃない. 楽しい仲間.他愛のない会話. 辛いことも,楽しいことも,悲しいことも,嬉しいこともほどほどな,平凡な毎日. でも埋まらない何かがある.もしかしたらいつもそう思っていたのかもしれない.

春が来る.咲き始めた桜達を見るとなぜか心がざわめく. 遠い記憶が呼び起こされるような不思議な感覚. 何気ない風景も,見なれた街並も,どこか少し楽しそうに. 何かが変わる.少しだけ,でもきっと大きな一歩. そんな淡い予感を感じて.

今年の春は不思議な春だな,いつもの坂を上る時にそう,ふと思った.


そして僕は変わる.そう,君が降ってきたあの日から. 薄い雲が春の風に流れて,青い空が目の前に開けるように. この一週間,たった一週間で,僕はたくさんのことを知った. 素直になること,頑張ること,優しくなること,そして,心から誰かを好きになること.

季節外れの麦藁帽子が春の風に揺れる.こんな何気ないことでも,君は本当に嬉しそうな笑顔を僕にくれる. 永い眠りへと旅立つ君に,僕は何も出来ない. ロボットですからと素直に微笑む君に,僕は何も出来ない. 本当に悔しいよ. 君のその細い肩も,流れ落ちる暖かな涙も,何もかもすべて抱きしめてしまえたらもう他に何も望むことなどないのに. できればこの記憶が,君の眠りを少しでも楽しいものにしてくれますようにと. 君のもうひとつの夢が,きっと叶いますようにと. 祈る神も持たない僕は,ただ願うだけ.

交された約束.誰のためでもなく,ただ僕達のために. この想いを信じたい.

見えない力に押されるように,大きく両手を広げて空へと手を伸ばす. 青い色が,少しだけ近付いてくるような気持ち. 悲しみは風に飛ばしてしまおう. これから巡り来る幾つもの季節に負けないように, 君がくれた想いを連れて,僕は歩いていきたいと. 何かに一所懸命になることは何も恥ずかしいことじゃないと. 僕は何時も君のそばにいるね.想い出は変わらずここにあるよね. 永遠なんて言葉は信じない.それでも,変わらないものもある. そう君が教えてくれた気がする.もう会えない君が.

でもどうしてかな,涙が止まらないや.


ある日の夜想
ほんとの感想(^^;;
キャラクター原案:
声の出演:

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