「F.E.2b」

兵器擬人化というニッチのカテゴリで、さらにニッチな複葉機専門の絵師として、これから生きていきます(笑)
そんなわけで、R.A.F(Royal Aircraft Factory = 王立航空廠)のF.E.2bさんの登場です。D.H.2さんと同時期の娘さんですが、D.H.2さんほど華々しい活躍がなかったので、ちょっと地味めにアレンジ。服の色もフリルも控えめにしております(笑)
構図的に無難にまとめたはずだったのですが、主翼の陰の落ち方で嘘ついてます。あと支柱の並び方(特に縦に並んだ支柱の位置関係)もミスっており、その歪みが張線にはっきりと現れています。厳しいなあ(汗)。
とはいうものの、女の子は自分なりに気にいってます。


R.A.F F.E.2b

1915年冬より戦場を支配し、イギリス軍に「フォッカーの懲罰」と言わしめたフォッカーEV。R.A.F F.E.2bはこの機に対抗しうる当時唯一の機体でした。前方射界を確保するためプッシャー式のプロペラ配置としている点は、プロペラ同調機銃をいまだ持たないイギリスにとって唯一とりうる手段であり、F.E.2bが登場するまでの主力機であるヴィッカースF.B.5や、F.E.2bの後継機たるAirco.D.H.2も、同様の機体構成をとっておりました。
F.E.2bは、前席に機銃手(偵察員)、後席に操縦手が乗る複座機で、単座のフォッカーEVに比べ自重が倍以上もある大型機でしたが(1378kg)、160馬力という当時としては破格の出力を誇るベアードモア直列エンジンを装備し、フォッカーEVとほぼ同等の速度性能(147km/h)を有しており、能力はほぼ互角と言えました。
1916年6月18日、北フランスでマックス・インメルマン(*1)が駆るフォッカーEVを撃墜したのも本機だと言われています。
しかし1916年にドイツが新型戦闘機アルバトロスDUを投入したことにより損害が激増し、最後は夜間爆撃機に転用されその生涯を閉じました。

(*1)ドイツのエース。インメルマンターンに代表される、エアマニューバーの基礎を築いた人物として有名。パイロットとしては初めて、プール・ル・メリット(ブルーマックス)勲章を授与されている。なおF.E.2bによる撃墜ではなく、エンジン故障による墜落であるという説もある。


参考文献
CHARTWELL BOOKS,INC刊 Enzo Angelucci著 「The Illustrated Ecyclopedia of Military Aircraft」
ハヤカワ文庫刊 ジョン・キレン著 内藤一郎訳 「ドイツ空軍、全機発進せよ!」
光人社刊 佐貫亦夫著 「ヒコーキの心」


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