倒れなかった帝国
〜 ヒトラー帝国の興亡 リプレイ 〜


◆作戦名「黄の場合」〜第1ターン(1940年夏)〜

 1940年4月8日、「インチキ戦争」と呼ばれた空白の5ヶ月の後、ドイツは本格的な侵攻を再開した。目標はノルウェー。そしてフランス。
 対するイギリス・フランス両国はベルギー国境に部隊を集結させていた。

 このターンドイツは、史実通りベルギーとノルウェーに対し宣戦を布告します。オスロに強襲上陸(※1)を果たしたドイツ部隊はオスロ守備隊を粉砕、ノルウェーは降伏します(※2)。これでドイツはキルナ・エリバレと言った資源地帯(資源1ポイント)を得ます。またベルギーに侵攻した部隊は、一部頑強な抵抗(1ラウンドの遅滞)を受けましたが、ブリュッセルの守備隊を撃破しベルギーを占領しました。なお唯一史実と異なるのは、ドイツがオランダに宣戦を布告しなかったことです。オランダ軍の戦闘力2を連合軍への盾としようという魂胆です(※3)。
 一方の連合軍側ですが、通商破壊(※4)により、イギリスの生産力が減殺され、充分な部隊をベルギー国境に集結させることが出来ませんでした。加えてベルギーに介入したイギリス軍は、強力なドイツ軍(歩兵+戦車+将軍+空軍)の反撃により1ラウンド保たず壊滅、フランス軍も同様にリール前面で壊滅します。
 結局為すすべもなく、3回目のドイツ作戦の前にパリの守備軍が退却、ドイツがフランスを占領します。

(※1)作戦移動の一種として、海域の戦艦ユニットを使用して敵軍の支配地域に直接侵攻することが出来ます。この際使用した戦艦ユニットは除去されます。
(※2)首都を占領された国家は、その瞬間に降伏します。ただしソ連だけは例外で、モスクワ・スターリングラード・レニングラードの3都市を占領しないと降伏しません。
(※3)基本的に宣戦布告のない限り、中立国は中立を保ちます。そして連合軍もこれらの国に宣戦布告が可能です。その場合、その中立国は枢軸国として参戦します。
(※4)ドイツ軍は海軍フェイズに通商破壊作戦を宣言することが出来ます。通商破壊を宣言したドイツ艦艇は海戦は行えませんが、連合軍の攻撃で撃沈破されなかったユニット1つにつき1ポイント、イギリスの生産ポイントを減少させることが出来ます。


◆バルカン侵攻「マリタの件」〜第2ターン(1940年冬)〜

 ドイツ軍のフランス侵攻に、イタリアが参戦を決定した。エチオピアのイタリア軍は大挙してエジプトへと雪崩れ込んだ。待ち受けるはエジプトの英第8軍。
 そしてバルカンでも戦いが始まろうとしていた。

 イタリアの参戦により、ギリシアが連合国として参戦します。そのギリシアを撃ち、バルカン方面からの連合軍の上陸を防ぐ意味で、ドイツがバルカン作戦を発動(対ユーゴスラビア宣戦布告)させます。
 ドイツの進撃によりユーゴ軍は壊滅、ベオグラードがドイツに占領されユーゴは降伏します。ですがユーゴ国境でのギリシア軍はドイツ軍の足止めに成功、1940年中のギリシア占領はなりませんでした。
 またイタリア軍は、何と独力でイギリス在エジプト軍を撃破、一挙にカイロを占領しました。
 一方イギリス軍は、急遽モロッコへ部隊を展開(※5)、西からイタリア軍へ圧力をかけます。が、ドイツの通商破壊と戦略爆撃のため、空軍の生産が追いつかず、艦艇の補充もままならない状態で、何処まで反撃可能か心許ない状況です。

(※5)エジプトが陥落したため、イギリスは戦略移動による部隊のアフリカ輸送が不可能になりました。そのためフランス降伏後ドイツ支配下になっていたモロッコに強襲上陸をかけ、カサブランカを占領、アフリカへの橋頭堡としたのです。


◆「バルバロッサ」独ソ開戦〜第3ターン(1941年夏)〜

 1941年6月22日、ついにドイツはソビエト連邦に宣戦を布告、白ロシア・ウクライナに侵攻を開始した。史上最大規模の陸上戦の幕開けである。

 ドイツは北方・中央軍集団が予定通りソ連侵攻を開始しましたが、南方軍集団の1個装甲軍がギリシア攻略のために出遅れます。ギリシアは降伏させたものの、1ラウンドの出遅れが響いて、奇襲にも関わらず(※6)充分な戦果を得ることができませんでした(空中戦による独1個航空ユニットの除去に対し、ソ連損害は3個ユニット)。結果国境線で部隊が入り組む状況となります。
 前ターンエジプトを占領したイタリア軍は、余勢を駆ってサウジアラビアに侵攻、ペルシアの油田攻略(※7)に向かいます。
 イギリス軍はアルジェリアに進軍、オランを占領しチュニジアへと向かいます。

(※6)ソ連は1942年になるか、枢軸国に宣戦布告されるまで、作戦チットを生産する事ができません。つまり宣戦布告を受けたターンには、能動的な行動は一切できないのです。そのためドイツ軍の機動によっては簡単に包囲されてしまいます。
(※7)ペルシアには資源ヘクスが1つあります。


◆ウクライナの決戦「キエフ会戦」〜第4ターン(1941年冬)〜

 準備不足のまま独ソ戦に突入したドイツ軍は、強大なソ連戦車軍の前に苦戦を強いられていた。そして計画より半年遅れのキエフ攻略戦が始まろうとしていた。

 ドイツはほぼ全ての機甲ユニットと将軍を投入し、一挙にソ連軍の撃滅をはかります。手始めにキエフ西部でソ連歩兵ユニット2個を撃破、道を切り開いたドイツ軍はキエフへと突き進みます。がキエフではソ連戦車軍(戦車+歩兵+将軍)が中心となり反撃、ドイツ軍は機甲2ユニット、歩兵2ユニット、将軍1ユニットという大損害を受けて敗退します(※8)。
 北方ではフィンランド軍と共同でレニングラードの攻略を実施、一時はレニングラードの占領に成功したものの、ソ連軍の反撃にあいレニングラードを放棄、一進一退の攻防が続いています。
 アフリカではイタリア軍がイギリスの先手を打ってアルジェリアへ侵攻するものの、イギリス軍の反撃の前に後退、逆にイタリア軍はチュニジアまで押し戻されてしまいます。
 そしてこのターンからアメリカが連合国として参戦します。アメリカは海上兵力の減少したイギリスに代わって、海軍ユニットを中心に生産を行い、連合軍の渡洋侵攻力の回復に勤めます。来るべきイタリア上陸のために・・・。

(※8)冬期の特別ルールとして、ソ連領内の枢軸軍ユニットは移動力や戦闘力が減少してしまいます。



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