泥の海に沈んだ「勝利」
〜 ハリコフ大戦車戦 リプレイ 〜


◆第4ターン 〜各個撃破(2/16〜20)〜

 戦線の穴を通って、ソ連軍の進撃が開始された。各個に包囲されるドイツ軍。果たしてドイツ軍の援軍は間に合うのか?

◇ソ連軍
 3ターンに形成された戦線の穴から、第6軍と第3戦車軍を進出させる。また正面軍を西方に切り返し、ドイツ軍の包囲戦に参加させる。結果WIK、LAH、DR各装甲師団の包囲が完成する。これは独軍が保有するほぼ全ての装甲師団を包囲したことを意味する。この包囲戦は、独援軍の到着でDR装甲師団の撃破にとどまるが、独軍の壊滅は時間の問題であろう。
 北方では第69・40両軍団の計6個狙撃兵師団の攻撃により、敵第75師団を後退させることに成功した。その結果包囲下に置かれた(*5)敵第88師団は退路を断たれ、第40軍の3個狙撃兵師団の攻撃の前に降伏した。

(*5)敵の退却または撃破の結果あいたヘクスには、攻撃ユニットが進軍できます。これを上手く使うと敵軍の包囲が可能となり、今回のように撃破の可能性が高くなります。

◇ドイツ軍
 対応移動で辛うじて戦線の全面崩壊は防げたものの、まだ危険な状態にある。
 まず北方の歩兵師団の残余を南方へ退却させ、戦線の補強に使う。また第6装甲師団とTOT装甲師団(髑髏SS装甲師団)を投入し、敵正面軍第3戦車軍団と第6軍第1親衛戦車軍団の逆包囲を敢行する。その結果第19・6装甲師団の共同攻撃で正面軍第3戦車軍団を、LAH装甲師団が第6軍第1親衛戦車軍団をそれぞれ撃破、WIK装甲師団とTOT装甲師団もそれぞれ敵軍の撃退に成功した。
 これで次のターンには戦線の立て直しが可能となるだろう。ただし敵軍の補給チェック(*6)の結果次第では今以上の危機となるかもしれない。

(*6)第4ターンからソ連軍の戦車軍団は、補給が届いているかチェックしなければならなくなります。これは当時のソ連軍の兵站の能力不足を表しているルールで、このチェックに失敗した部隊は、直ちに裏向きとなり補給切れであることを示さなければなりません。


◆第5ターン 〜消耗戦(2/21〜25)〜

 ソ連軍の攻撃は補給の有無に関係なく熾烈を極めていた。対するドイツ軍も増援の装甲師団をもって積極反攻を開始した。300kmに及ぶ戦線で、足を止めての殴り合い−消耗戦が始まった。

◇ソ連軍
 正面軍と第3戦車軍の戦車軍団計3個の補給が途絶えたものの、攻撃主力たる第6軍の戦車軍には補給切れが発生しなかったため、再攻撃が可能となった。
 再包囲に成功したLAH装甲師団に対し、第6軍の第4・5戦車軍団を基幹とする3個軍団が攻撃を再開し、同師団を壊滅に追い込んだ。また第3戦車軍の狙撃兵師団が敵第167師団を包囲の後殲滅した。これにより北方に取り残された独3個師団の包囲が可能となる。
 一方中央では、敵第6装甲師団の反撃により正面軍第18戦車軍団が、WIK装甲師団により正面軍第4親衛戦車軍団が壊滅した。ここに正面軍機動集団は壊滅した。
 そろそろ攻撃限界点に達したようである。ハリコフを守るために退却を検討する必要が出てきた。

◇ドイツ軍
 どうも敵の補給切れが少ない。そのため反撃兵力たるLAH師団を失ってしまった。また北方の3個師団が敵中に孤立する可能性が高くなった。この師団の救出が勝敗に関わってくるだろう。
 東方では第62師団と第3装甲師団の共同攻撃によって、第1親衛軍の狙撃兵部隊の撃破に成功する。中央では第6軍の第1親衛戦車軍団の撃破にWIK装甲師団が成功したものの、その他では攻撃失敗が続き不十分な戦果に終わった。


◆第6ターン 〜戦線膠着(2/26〜3/2)〜

 ドイツ軍は兵力不足、ソ連軍は補給切れのため互いに充分な戦果を得ることができず、戦線は膠着した。

◇ソ連軍
 北方ではついに敵3個歩兵師団を捕捉、第69軍と第3戦車軍の狙撃兵部隊により独第75・322両師団の撃破に成功する。北方での戦闘が収束したため、第40軍をハリコフ防衛及び東方戦線の援軍に抽出した。
 その他の戦線では一進一退の攻防が続いた。

◇ドイツ軍
 東方で反撃に転ずるべく4個師団で攻撃を掛けた。第7・17装甲師団の攻撃により、敵第1親衛軍第6親衛狙撃兵軍団を撃退、第1親衛軍司令部の包囲に成功するものの、第3装甲師団と第62師団の共同攻撃は見事に失敗、包囲が解けてしまった。
 歩兵師団の攻撃はことごとく失敗した。特に第88師団は不利な攻撃を強要され壊滅した。装甲師団の攻撃も敵を1ヘクス程度後退させたに止まり、敵戦線を突破するに至らなかった。
 現時点で部隊の損失は我が軍の方が多く、戦況は我が軍にとって明らかに不利となっている。


[ Back ] [ Back Page ] [ Next Page ]